2015年「残業代ゼロ法案」で他人事ではなくなる!
一方で本書では、なぜ今の法律でブラック企業を取り締まれないのか、そして、政府の「雇用改革」が今後、ブラック企業にどのような影響を与えるのかを、具体的に検証した。
今も話題になっている「残業代ゼロ法案」や「解雇規制の緩和」がブラック企業を減らすという議論もある。しかし、ブラック企業の労務管理の実態を見ていくならば、こうした見解が間違っていることが見えてくる。
ただ、こうした“政策論議は、常に理念と理念のぶつかり合いのようになりがち”だ。本書では、そうしたイデオロギー的な批判を避け、ひたすら現場の事実から、雇用改革で何が起こるのかを検証した。ブラック企業の洗脳プロセスと、これを踏まえた政策の検証で、ブラック企業問題の解決策の決め手が見えてくる。
ブラックバイト、マタニティーハラスメント、追い出し部屋――こうした労働にまつわる現場の問題は、「ブラック労働」がこの国の老若男女すべてにひろがっていることを示している。
だが、本書の終章でも書いたとおり、本当の「経済イノベーション」を実現するためには、「ブラック労働」で瞬間的に無理をするよりも、人間が健康的で将来に希望が持てる社会でなければならない。
死ぬ気で100メートルを走りぬいても、「ほどほど」のスピードで後ろから走ってくる人のほうが、はるかにながく走り、遠くまで行けるのだから。
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