- 2013.11.22
- 書評
『アンダー・ザ・ドーム』解説
文:吉野 仁 (文芸評論家)
『アンダー・ザ・ドーム』 (スティーヴン・キング 著 白石朗 訳)
出典 : #文春文庫
ジャンル :
#エンタメ・ミステリ
さて、ご存知のとおり本作はスティーヴン・スピルバーグ総指揮によりドラマ化され、全十三話になるテレビシリーズが本年六月から米CBSで放送された。記録的な視聴率をたたきだしたという。原作を基本としながらも、テレビシリーズ独自の登場人物やエピソードなども含んでいるようだ。すでにシーズン2の製作がきまっており、第一話の脚本をキング自ら担当する予定だという。そして日本でもBS放送局Dlifeでの放送がこの十月からはじまった。放送日を楽しみにしている読者も多いにちがいない。
キングの最近の創作に関しても簡単に触れておこう。ちょうど日本では、本作の次に書かれた長編『11/22/63』(文藝春秋)が単行本上下巻で九月に刊行されたばかりだ。ケネディ暗殺をめぐり、時間旅行および歴史改変のテーマに挑んだ超大作。すでにさまざまな文学賞を受賞しているほか、興奮をもって読み終えた日本の読者からは「涙のラストシーン」に対し感動の声が続いている。
その後もキングの旺盛な執筆活動はおとろえることがない。二〇一三年六月にはペーパーバックオリジナルの長編 Joyland 、九月には『シャイニング』の続編にあたるDoctor Sleepが刊行された。すでに来年Mr. Mercedesという新作の刊行が決まっているそうだ。
いや、自動車事故から生還したばかりか、六〇代なかばという年齢などまるで感じさせない脅威の仕事ぶりだ。なにより新作を発表するたびに最高傑作と呼ばれている。この先もエンターテインメントの帝王スティーヴン・キングの活躍から目を離せない。
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