2006.04.20 インタビュー・対談

小説と扉絵の親密な関係
三浦しをん×下村富美

聞き手: 「本の話」編集部

『まほろ駅前多田便利軒』 (三浦しをん 著)

『まほろ駅前多田便利軒』 (三浦しをん 著)

下村 新刊の『まほろ駅前多田便利軒』、気持ちのよいユーモアをさらりとはらんでいて、読後に残るイメージや余韻がすごく好みのタイプの小説でした。

三浦 ありがとうございます。キャラクターに変人が多くて非常に過剰な感じなので、それ以外の部分まで過剰になったらやりすぎかなと思って、お話作りにしてもクスグリにしても、そのバランスが難しかった連作です。毎号扉絵をありがとうございました。下村さんに扉絵を描いていただけるのを励みに連載を続けました。

下村 こちらこそ。作者の方が一生懸命書いたあとで、イメージ壊してないといいな、と思っていました。

三浦 下村さんの漫画がすごく好きで、いつか一緒にお仕事させていただきたいとずっと思っていたんです。「別册文藝春秋」の連載が決まったときに、今度こそお願いしようと。絵にピッタリの小説を書く、ぐらいの意気込みをもって、自分の中で企画を立てたので、引き受けていただいたときには、もうほんとに嬉しかったです。

下村 そんな(笑)。いつも挿絵を受けるときは、作者の頭の中がどういうイメージのキャラクターを作っているのか心配なんです。でも『まほろ駅前多田便利軒』はすごくイメージが湧きやすかったですよ。

三浦 よかった。

下村 特に行天(ぎょうてん)が描きやすくって。

三浦 下村さん、もしかして行天を気に入ってくださってるのかも、なんてイラスト拝見して、思っていました。

下村 絵にするとき、やはり行天が中心になってましたね。絵になりやすいタイプです。

三浦 じゃ、多田はちょっとなりにくいタイプだった(笑)。作業着着てますし。


作家三浦しをんと漫画家下村富美が軽やかに時に真剣に語る〈小説・漫画の舞台裏〉

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まほろ駅前多田便利軒
三浦しをん・著

定価:本体560円+税 発売日:2009年01月09日

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