半沢直樹シリーズ『ロスジェネの逆襲』は、IT業界を舞台にした爽快感あふれる物語。一方で、バブル入行組の半沢がロスジェネ世代(1994年から 2004年に亘る就職氷河期に世の中に出た人々)の部下・森山雅弘を育てて行く物語という側面もある。
そこで、IT業界で活躍するロスジェネ世代の経営者に、『ロスジェネの逆襲』を読んでいただいた。IT業界の住人として、ロスジェネ世代として、彼らはこの作品をどう読んだのか?
「買収劇の心の葛藤がとてもリアル」 小澤隆生
かつて本のオークションサイト「ビズシーク」を起業した本好きの小澤さんは現在、ヤフー執行役員であると同時に、企業投資を行うYJキャピタルの取締役。『ロスジェネの逆襲』はIT企業の敵対的買収を巡る物語だが、投資の専門家としてどう読んだのか?
小澤隆生(ヤフー株式会社 執行役員 YJキャピタル株式会社 取締役) 1972年生まれ。95年CSKに入社。家業に従事した後、ネットベンチャーのビズシークを創業。楽天を経て小澤総合研究所を設立。2012年より現職。
「モンストのような爽快感と大逆転劇」 木村弘毅
大人気ゲーム「モンスターストライク」を手がける木村さんは池井戸作品の大ファン。小説の爽快感にはモンストと共通する要素があるのだという。東京スパイラルは本業に専念するか事業の多角化かで大きく揺れるが、SNSとゲームを手がけるミクシィの場合は?
インタビュー全文書き起こし:モンスターストライクの責任者が語る半沢直樹とモンストに共通する爽快感
木村弘毅(株式会社ミクシィ 取締役 「XFLAG」スタジオ 総監督)1975年生まれ。電気設備会社で勤務後、携帯コンテンツ会社などを経て2008年よりミクシィにてゲーム事業に従事。15年より現職。
「チームをゴールに導くプロセスに感動した」 荒川徹
スマホアプリとしても人気が高いキュレーションメディア「Antenna」を運営するのは、荒川さんがCOOをつとめるグライダーアソシエイツ。2012年生まれの若い会社をどうまとめ、育てていくのか。荒川さんの周りには、半沢直樹のような人物が実在するという。
荒川徹(株式会社グライダーアソシエイツ COO)1981年生まれ。2003年西日本旅客鉄道株式会社入社。1年半で退職して早稲田大学大学院入学。07年にマクロミルへ入社、14年より現職。
「ベンチャーで働く人が読むと新しい世界が楽しめる」 岩瀬大輔
生命保険のインターネット販売という前例のない事業に身を投じた岩瀬さんは、「バブル世代」「ロスジェネ世代」を意識したことがないという。伝統的な日本企業での勤務経験がないためだ。そんな岩瀬さんに半沢直樹はどう見えただろうか?
岩瀬大輔(ライフネット生命保険株式会社 代表取締役社長兼COO)1976年生まれ。経営コンサル会社や米系投資会社で勤務後、留学。2006年、副社長としてライフネット生命保険立ち上げ。13年より現職。
「プロットが緻密で、ドラマより面白い」 徳力基彦
ロスジェネ世代はずっと損をしてきた世代と語る徳力さんだが、「世代論なんて意味ないんだよ、と半沢がいうシーンがあって、本当にそうだと思う。周りの環境に文句を言っているんじゃなくて自分がやらなくちゃいけないんだな、という勇気をもらえる」と推薦。
徳力基彦(アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 取締役CMO ブロガー)1972年生まれ。95年にNTTに入社。IT系コンサル企業などを経て2006年アジャイルメディア・ネットワークの設立に参画。14年より現職。
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