スピンアウト小説の可能性は?
石本 もう一度読んでみて思ったのですけれど、続編とかスピンアウトを読みたくなりました。書かれたりする予定はありますか?
宮下 最初に構想を練った時には、主人公がもうちょっと先まで行けているはずだったんです。でも、やっと調律師としての一歩を踏み出すというところまでしか書けなかったので、もう少し書きたいという気持ちがありました。それから、双子の姉妹の和音と由仁のことを書いているときが楽しかったので、この子たちの話を書きたいなという気持ちもありました。
というように当初は思っていたのですけれど、時間が経てば経つほど、怖くなりました。自分が想像しているよりも彼らはもっと先に行っているんじゃないかとか、あるいは横道にそれているかもしれないとか、作者のつもりでいたけれど自分の想像から外れたところまで行っているんじゃないかなと思うと、今から新しく書くというのはちょっと怖い気がします。
石本 例えば、双子の由仁がピアノを弾けなくなってしまったときの話では、そこを乗り越えた段階からしか出てこないじゃないですか。あそこに至るまでの葛藤なんかすごく見たいなあと思うんですよ。その後の姉妹と外村くんの関係とかも。
宮下 そうなんです。由仁は調律師になろうって決心するんですけれど、同じ楽器店に入って一緒に調律をするとなると、外村くんよりもすごく筋がいいので、外村くんはあれっ、て。
石本 和音をめぐる三角関係になってきますよね。調律師の先輩である秋野さんの過去にも興味があります。たぶんそこに板鳥さん関わっていますよね。直接は書かれていないけれども秋野さんがピアニストを諦めて調律師になる過程の中で、板鳥さんは出てきていますよね。その辺とかすごく読みたいと思うんです。
宮下 私も読みたいです(笑)。
石本 会場のアンケートで『羊と鋼の森』映画化のキャストを色々考えて下さっているのですが、主人公に岡田将生って悪くないですよね。
宮下 外村くんはたぶん、岡田将生のようなあんな正々堂々としたイケメンじゃないと思います。岡田将生が北海道の田舎の学校とかにいたらみんなほっとかないじゃないですか。坂口健太郎のほうがまだ近いかもしれないですね。あ、いや、坂口健太郎もイケメンですよ(笑)。大野智とか櫻井翔と書いて下さった方もありますね。このキャストで映画化されたらお客さんはたくさん来てくださいますね。そういう意味ではすごく嬉しいですけれども……。
石本 まだ何もそういったお話は決まっていないんですか?
宮下 主演が決まったとお聞きしましたけれども。
石本 あっ、でもまだ言っちゃだめなんですよね。
宮下 そうなんです。私、すぐ顔に出ちゃうので、ここで正解が出てバレちゃうといけないんで。
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