銀座1丁目、並木通りにあるスタア・バー。 「IBA 世界カクテルコンクール」で日本人初の世界チャンピオンとなった岸久の作るカクテルは、世界で注目を集めている。 海外からも高く評価されている岸のカクテルには、どんな工夫が凝らされているのか。5回に渡りスタア・バーの魅力的なカクテルを紹介する。

写真 山口規子

【レシピ】
ブランデー(クルボアジェ ルージュ) 50ml(冷蔵)
グランマルニエ 25ml
フレッシュ・レモンジュース 10ml
コアントロー リンス
【作り方】
コアントローをシェーカーに少量入れ、リンスする。
他の材料と氷をシェーカーに入れ、インフィニティ・シェークする。メッシュで砕けた氷を濾しながら、グラスに注ぐ。
◆20歳の頃、アルバイトをしていたダイニング・バーで作り、お客様に初めてほめられた思い出のカクテルです。それから工夫を重ね、今では岸のシグネチャー・カクテルと言われるまでになりました。味の決め手は、NHK BSで放送された科学番組「アインシュタインの眼」でも立証されたマイクロバブル(直径50ミクロン以下の泡)。その極小の泡は、前後だけでなく横や斜めにもひねりを入れたインフィニティ(無限大)・シェークによって作り出されるのです。大きな泡は上に浮かびあがりますが、マイクロバブルは極小なので液体の中にとどまります。ブランデーの風味とレモンジュースの酸味が渾然一体となって口中でふんわり溶けてゆくのが、このサイドカーの特徴です。