『魔法使いと代打男のアリバイ』
犯罪といえばアリバイ、アリバイといえば映画「影武者」……古い? 本作では野球選手である菅原武彦そっくりの「代打男」が菅原のアリバイを証明する。
ところで殺された元プロ野球選手の村瀬修一のニックネームが「顔だけ一流選手」というのに吹いた。殺されて気の毒だが、どんな顔なのか一瞬で良いから見てみたい。
この作品ではマリィの魔法が事件解決の糸口となる。といっても、事件を意識して使った魔法じゃないけど、結果的にアリバイを崩したのだから、マリィ様々である。
ここまで読んでお分かりだろうが、魔法使いはミステリとあまり関係もない。厳密にいえば、小山田刑事を救ったり、協力したりするけど、毎度不思議な魔法を披露して、読者を楽しませ混乱させていく。
そう、一番のミステリは魔法使いマリィの存在だ。いったいなぜ、ここにいるのか。もちろん真相は著者である東川先生しか知らない。
そこで推理してみよう。魔法使いがここにいる理由を。
面白いから。
かわいいから。
事件を引っかき回すから。
魔法使いが求められているから。
どれも当たっていると自負している。四つめの理由は、冒頭に書いたとおり、わたしの子どもの頃からの願望から来ている。
マリィがいない世界より、マリィがいたほうが楽しいし、面白いし、なんといってもマリィはかわいい。
くせになりそうな魔法使いマリィのシリーズは、この後『魔法使いと刑事たちの夏』に続く。本書の最後でマリィは小山田家の家政婦になり、今後もあらゆる事件に顔を突っ込んでいくことだろう。
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