
たとえば、主人公ふたりの設定だ。戦闘能力抜群の主婦、元ロックシンガーの教師。手元を見ずにベレッタを分解・組み立てできる主婦なんて、ギャップここに極まれりではないか。あるいは、律子のプロフェッショナルな戦闘と、美晴の行き当たりばったりのめちゃくちゃな格闘のギャップもある。かっこいいのは律子だが、おいしいところを持っていくのは美晴だ。まさかあんなものをバットで打ち返すなんて! 何より、常にクールで冷静な律子と、がらっぱちで出たとこ勝負の美晴のコンビというのが、そもそも大きなギャップである。そんな正反対のふたりが、次第に互いを認め合い、戦場で背中を預け合うまでになる。いいねえ。女性バディものとしても出色だ。
ギャップはまだある。国際的謀略と群馬の温泉ランド。ベレッタと台所の包丁。母性愛と政治工作。PTAだの学校だのという身近な日常と、特殊部隊との戦闘という非日常のギャップ。いくつものギャップが、ときには笑いを誘い、ときにはスリルを演出する。緊迫と解放が、笑いとシリアスが、アクションと駆け引きが、まるで激しく上下するジェットコースターに乗っているかのように交互に訪れ、次第に高まりながらクライマックスへとなだれ込む。まったく飽きさせない。さすがだ。
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