![『キリスト教講義』ブックリスト](https://b-bunshun.ismcdn.jp/mwimgs/9/5/1500wm/img_9555cb65513d7dfce5fe27bdfd47ac6e414553.png)
山本芳久・選
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『キリスト教の精髄』(柳生直行訳、新装版、新教出版社、1994年)C.S.ルイス
『ナルニア国ものがたり』の著者として有名なルイスによる、世界で最も読まれている、機知に富んだキリスト教入門。本書の原題はMere Christianityであるが、この場合のmereという形容詞は、「純粋な、混ざり物のない」という意味である。世俗化した現代世界に流布している耳障りのよい様々な世界観に妥協することなく、伝統的なキリスト教のエッセンスをわかりやすい言葉でえぐり出した本書は、絶好のキリスト教入門書となっている。
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『告白(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ)』(山田晶訳、中公新書、2014年)アウグスティヌス
キリスト教文学の古典中の古典。西方キリスト教界最大の教父であるアウグスティヌスが、キリスト教に回心した後の視点から、自らの半生を振り返りつつ、神、世界、人間について、深い洞察を繰り広げている。悪と自由意志の問題など、重要な神学的問題が具体的な経験に基づいて考察される名著中の名著。
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『トマス・アクィナス 理性と神秘』(岩波新書、2017年)山本芳久
日本語で読めるトマスの入門書や概説書は、トマスの哲学者としての側面に焦点を当てたものが大多数であった。そのなかで、本書は、哲学者でもあり神学者でもあるトマスの全体像を、「理性と神秘」という観点から浮き彫りにしている。人間であれば誰でも有する普遍的な「理性」を重視しつつ、「理性」を超えたキリスト教的な神の「神秘」を徹底的に探究するトマスの思惟の根本的な特徴を分かりやすく体系的に分析している。
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『聖なるもの』(久松英二訳、岩波書店、2010年)ルドルフ・オットー
ルドルフ・オットーは、ドイツを代表するプロテスタント神学者であり、同時に宗教学者でもあった。東西宗教の比較研究に大きな貢献をするとともに、宗教の本質を独自の観点から捉え直す『聖なるもの』を発表した。本書においてオットーは、宗教の本質を、非合理的・神秘的な「聖なるもの」または「ヌミノーゼ(戦慄すべく、かつ魅惑する神秘)」と名づけ、現代に至るまで、宗教学の基礎理論として多大な影響を与え続けている。
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『信仰の遺産』(岩波文庫、2015年)岩下壮一
岩下壮一は、我が国におけるスコラ哲学・カトリック神学研究の開拓者である。戦前に刊行された本書は、古い書物であり、現代においてそのままでは通用しにくい部分もあるが、開拓者特有の新鮮な息吹に満ちており、その意味において、現代においても大きな刺激を与えうるスコラ哲学・カトリック神学への入門書と言える。岩下による体系的なカトリシズムの解説である『カトリックの信仰』もちくま学芸文庫から刊行されている。
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『さらば故里よ 助太刀稼業(一)』佐伯泰英・著
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