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【対談】やっぱり「不倫」は文化だ! 女の不倫は欲のため、男の不倫は見栄のため

【対談】やっぱり「不倫」は文化だ! 女の不倫は欲のため、男の不倫は見栄のため

柴門ふみ ,林真理子

『下衆の極み』(林真理子 著)


ジャンル : #随筆・コミックエッセイ

『下衆の極み』(林真理子 著)

  そうだよね。大正の頃までは、軽井沢の別荘で首を吊った有島武郎と波多野秋子みたいに、不倫がもつれて心中に発展することもよくあったみたい。

 柴門 いま不倫して死ぬ人はまずいませんよね。そうすると、やっぱり昔のほうが厳しかったのかな。

  それは姦通罪があったから。北原白秋は不倫相手の夫から告訴されて投獄されたからね。人妻と不倫して相手の夫にバレたら、男は牢屋に入るか死ぬかの二つしか選択肢がなかった。

 柴門 そうよね。戦前は命がけだったんですね。

  でも、道ならぬ恋とわかっていながらどうしようもなく惹かれてしまう心や、そこに生まれる美学とか甘美な喜びというのは間違いなくある。そうしたものを書くのが小説であり、作家なんだと思うし、だからこそ『源氏物語』以降、多くの名作が生まれているわけでしょう。不倫がなければ、小説は書けません。柴門さんには不倫をテーマにした作品はありますか。

 柴門 『Age,35』や『同窓生~人は、三度、恋をする』ですね。『あすなろ白書』は、ヒロインが上司と不倫します。

  私たちはそういう人の気持ちの理解者だよね。

 柴門 もちろん。作家ですから、気持ちはわかります。遊びたい男の気持ちも、怒る妻の気持ちも。そこに寄り添って人間を描くのが商売みたいなものだから。

  昔、渡辺淳一先生が「人はもっと不倫すべきだ」っておっしゃっていました。不倫すれば男も女も活力が出てくるし、経済効果もすごい。食事したり、プレゼントしたりで何十億円にもなるはずだ、と。半分冗談でお書きになったと思うんですけど、柳美里さんが「不倫で苦しむ人もいるんだ」って反論していた。

下衆の極み
林真理子

定価:本体620円+税発売日:2019年03月08日

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