2018.08.30 インタビューほか

【特別対談】林真理子×髙見澤俊彦「小説から音が見えてくる」#3

【特別対談】林真理子×髙見澤俊彦「小説から音が見えてくる」#3

同じ年に生まれ、同じ街で 青春時代を過ごした二人が語りあう あのころの東京、音楽、 そして小説のこと。

『音叉』(髙見澤俊彦 著)

髙見澤 僕自身は元々ロックをやっていましたが、実はフォークのGAROが大好きだったんです。そうしたら、入った事務所が偶然にも同じで、GAROの弟分のような形でデビューしました。

 この小説のもう一つの魅力は、髙見澤さんでなくては書けない音楽のシーンがあること。演奏に集中すればするほど音が見えてくる感じがしました。どんどん燃えていくような描写は、やっぱり本職の方じゃないと書けない。

髙見澤 演奏シーンは一番書くのが難しかった。やはり自分で弾いちゃった方が早いし、それをリアルに文にするのは、ちょっと大変でした。

 無意識にやられていることを文章にするわけですからね。

髙見澤 そうですね。ギターを弾いて歌うのは長年やって来たことなのに、あらためて人に分からせるような形で客観性を持たせて、一人称で書くのは意外に面倒でした(笑)。

 でも、そこが本職としては読ませどころですもんね。

髙見澤 Eマイナーって書いたところで、どんな音か読者には分からないですから、それをどのように文章で表現するか。音を聞けば「あ、こんな感じか」って分かってもらえるんですけど。小説で表現するということは、デリケートなことなのだと改めて感じました。林さんの『野心のすすめ』に、「小説よりもエッセイのほうが、物書きは嘘を吐く」ってありましたが、それは言えている。



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音叉髙見澤俊彦

定価:本体1,700円+税発売日:2018年07月13日