2018.08.30 インタビューほか

【特別対談】林真理子×髙見澤俊彦「小説から音が見えてくる」#2

オール讀物2018年8月号より

【特別対談】林真理子×髙見澤俊彦「小説から音が見えてくる」#2

同じ年に生まれ、同じ街で青春時代を過ごした二人が語りあうあのころの東京、音楽、そして小説のこと。オール讀物8月号に掲載された対談を3回にわけてお送りします。

『音叉』(髙見澤俊彦 著)

#1よりつづく

あの頃の原宿、六本木

 神宮前の交差点に向かって歩きながら、〈夜の原宿は東京とは思えないほど静かだ〉なんて一文が出てきますけど、今の人が読んだら「何これ、誤植?」と思うんじゃないですかね。

髙見澤 表参道も静かでしたからね。深夜は野良犬もうろうろしてました。

 鳥もチッチッチッて鳴いていて。そもそも竹下通りなんて、とんかつ屋が一軒あるだけで、夜は真っ暗だったんですから。子どもが縄跳びしていたのも覚えている。

髙見澤 でも、日中の神宮前あたりは華やかでした。小説にも書いた、セントラルアパートの喫茶店「レオン」なんて、十代の頃はなかなか入れず、前を通り過ぎるだけでしたね。

 私も同じ。はじめは入れませんでした。少し上の世代の業界人が集まっていたころですよね。

髙見澤 そうですね。「なんでそんな格好?」という派手な人が多かった。

 六本木の「パブ・カーディナル」も、私は入れなかったな。

髙見澤 小説では、雅彦が加奈子に連れられて二階のレストランに行きますが、実は、僕は二階に上ることができなくて、一階のパブしか知らないんですよ。今回は「大体こんな感じだろう」って想像して書きましたが。

 雅彦ってナイーブですよね。女性に対しても。



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音叉髙見澤俊彦

定価:本体1,700円+税発売日:2018年07月13日