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ゴーン前会長逮捕の衝撃! 歴史はなぜ繰り返すのか

ゴーン前会長逮捕の衝撃! 歴史はなぜ繰り返すのか

文:加藤正文 (神戸新聞播磨報道センター長兼論説委員)

『落日の轍(わだち) 小説日産自動車』(高杉 良 著)

出典 : #文春文庫
ジャンル : #小説

『落日の轍』(高杉 良 著)

「歴史は繰り返す。日産には独裁を許す企業風土がある」

 と高杉良は言う。一九八四年刊の『覇権への疾走』にその原点が刻まれている。当初、月刊誌『現代』八三年十二月号~八四年二月号に連載され、加筆されて単行本になった。その後『労働貴族』として文庫で読み継がれ、今回、『落日の轍(わだち)』にタイトルを改め、再び世に問われることになった。

 これはゴーン問題を意識したものにほかならない。「百年に一度」の変革期にある自動車業界にあって、混迷の淵に沈む日産の迷走の轍をたどってみよう。

 

■「労働貴族」

 高杉良には八〇を超す作品群がある。その中で同一テーマで書かれた二作がある。本書と、同じ一九八四年刊行の『破滅への疾走』だ。前者は実名、後者はモデル小説となっている。いずれも一九七〇~八〇年代の日産を舞台に実力社長石原俊(たかし)(一九一二~二〇〇三年)と自動車労連会長塩路一郎(一九二七~二〇一三年)の確執が描かれる。

 塩路は一九五三年に日産に入社した。労働組合運動に打ち込み、自動車総連会長、国際労働機関(ILO)理事などを歴任した。国際的な視野を持ち、経営や人事にも影響力を持った。七七年に社長に就任した石原が主導した英国進出などをめぐり、経営陣と鋭く対立した。

文春文庫
落日の轍
小説日産自動車
高杉良

定価:770円(税込)発売日:2019年03月08日

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