そのときはなにを食べてもおいしくなくて、食欲もまったくない状態だったのですが、エッセイの中に出てくる食べ物はどれもこれもやたらおいしそうで、うらやましくて、あ~早く元気になってシウマイ弁当が食べたい! ドーナツの穴のまわりだけ残して食べてみたい! ホーレン草のバター炒めが食べたい~! と、布団の中で悶絶してしまいました。
そんな「食べたい」気持ちが薬となったのか、その後徐々に食欲も湧いてきて、めきめき回復しました。
病は気からとも言いますが、「あ~なにも食べたくない~」と思って寝込んでるのと、「早く元気になってあれこれ食べたい!」と思って寝込んでるのでは、きっと全然違いますよね。
東海林先生、いいお薬をありがとうございました!
おかげさまで家族もみんなもうすっかり元気です。
そして元気になったとき、エッセイにも出てきた焦熱地獄グラタンが無性に食べたくなりました。
最近は外食するとまず娘の食事の世話をあれこれ焼いてから自分が食べ始めるため、料理が冷めちゃってることが多かったのですが、今回ばかりは熱々で食べたかったので、家で夫に作ってもらうことに。(夫はわりと料理好きで、食べたいものをリクエストするとよく作ってくれます)
夫もグラタンは初挑戦とのことでしたが、本を見ながらバターで小麦粉を炒めるところからせっせと作ってくれて、その間私は娘に先に食事を与えておきました。
そして娘も落ち着いたところでぐつぐつ出来立てのグラタンを持ってきてもらって、即いただきまーす!
ひゃ~、アチチッ!
地獄のような熱さです。
それでも果敢にもうひとくち。
ひぃ~、アチチッ!
湯気(ゆげ)がもうもうと上がります。
半分涙目になってハフハフと食べつつ、「エッセイの通りだな」と思ってニヤニヤしてしまいました。
ホワイトソースまみれのなかに「おっ、じゃがいもを掘り当てたかな?」と思ったり、フォークにマカロニを3本刺して「大漁だ~」と思ったり。
そういうことを考えながら食べると、食事ってのはますますおいしく楽しいものですね。最近はバタバタ急いで食べることも多かったので、そんなこともちょっと忘れかけてました。
目の前で夫も「アチッ、アチッ」と言いながら食べていて、そんな2人を娘は不思議そうな顔で見ていて、私にとっては幸せな光景でした。
東海林さだおさん、お会いしたことはないけどとてもチャーミングな方なんだろうな、と想像します。
茶碗蒸しを食べるタイミングなんて、確かにいつもよくわからないけど、深く考えたことなんてなかったです。
今度食べるときはベストタイミングをもっとよく考えてみたり、他の人の食べ方も観察してみようかな。
ふふふ……、そう思うと次に茶碗蒸しに会うのが俄然楽しみになってきました!
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