
『ちいさなうさこちゃん』は、一面に花咲く庭の中にたつ家の絵から始まります。その家の窓が、始めは開いているのに、最後のぺージで閉じられていることの不思議さ、さみしさ。すっくりと立つうさこちゃんの、きゅっと閉じた口。お祝いにきた牛の大きな黒い瞳。
特に好きだったのは「さやえんどう と なし」の絵です。画面に大きく描かれた「さやえんどう と なし」は、おいしそうで、でもそれだけではなく、何か理屈を超えて、嬉しい色と形のシンボルとして、小さい頃の私に響いていたように思います。お話の進行から立ち止まって、1枚1枚の絵を、ずっと心の深い部分で見ていた気がします。
気がつけばブルーナの絵本は、家の中だけではなく、子供が行く、いろいろな場所に置かれていました。図書館はもとより、小児科の待合室や銀行のロビーにもありました。母親の用事がすむ間、ソファで足をぶらぶらさせながら、知っている子に会ったように「うさこちゃん」のいろいろなシリーズを手に取りました。
こちらもおすすめ
イベント
ページの先頭へ戻る