ヒキタさんが30年前を振り返った文章を読んだあとに見た夢は、どんな因果関係があるのかないのかわからないけれど、読んでいて「そうそう、そうだった」というところもあれば「へーそうだったんだ」というところもありました。
ひとつ修正箇所があります。時速350キロで絵が走る話は、F1の仕事ではなく、8時間耐久レースなどのバイクにペインティングした仕事の話です。私はF1の仕事はしていません。鈴鹿サーキットにバイクレースを見にいった際、満員の観客のメインスタンド前を猛スピードで自分がペイントしたバイクが走り抜けて行った時、観客から大歓声があがり興奮した時の話です。「絵が走っている!」と感じるとともに、展覧会での私の描いた(描いていた)絵(描き終えた絵)は時速0キロで壁に止まっているのだなと当時は思ったのでした。
あの時の風景を今思い出して気がついたことがあります、バイクのライダーから見ればバイクに描かれた私の絵は時速0キロで、スタンドにいる何万人の観客たちが時速350キロに見えていたのだなと。そしてライダーはそれでも自分が乗っているバイクより早く前に行こうとしていたのだと思います。
機上で見た数分前の夢も地上での数十年前の記憶もどちらも自分の身体を吹き抜けて行く速度は相対的には同じなのだろうなと……。けど夢の騎手は少しでも早く前に行こうとするものなのだろうな……と思います。
編集者の方へ、これで解説原稿になっているのでしょうか……。
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