本の話

読者と作家を結ぶリボンのようなウェブメディア

キーワードで探す 閉じる
対談 私たちのファーストクラッシュ #1<特集 恋愛に必要な知恵はすべて山田詠美から学んだ>

対談 私たちのファーストクラッシュ #1<特集 恋愛に必要な知恵はすべて山田詠美から学んだ>

山田詠美 ,ジェーン・スー

文學界11月号

出典 : #文學界
ジャンル : #小説

『ファースト クラッシュ』(山田詠美 著)

 ジェーン そう、赤坂の話も覚えてます。ムゲンだったかは覚えていないけど、看板に「○○アンドファンキー」って書いてあって、それは文法がおかしいと思いながら帰ってきたって話があったような。そこはファンクのはずだって。そういう断片的なエピソードを心に留めながら、すごく真剣に読んでいました。

 山田 面白いね。参考書みたいだね。

 ジェーン 音楽にのめりこむにつれて「ああ、これ、デ・ラ・ソウルのアルバムジャケットが元ネタだな」といったこともパズルのピースが嵌まるみたいにわかっていったりして。そういうプロセスも楽しかったですね。

 山田 ソウルミュージックに興味を持ったきっかけは何だったの?

 ジェーン ちょうどジャネット・ジャクソンが80年代真ん中に『コントロール』を出して、世間一般の人にも認知されはじめたタイミングで。その後にボビー・ブラウンが出るんですよね。

 山田 あの頃は真似する日本人の男を「ボビ男」とかって言ってたよね。

 ジェーン そう。私、ボビー・ブラウンとカルロス・トシキ&オメガトライブのライブも行ってるんです。

 山田 私もそれ行ってるんだよ。横浜アリーナでしょ?

 ジェーン そうです。じゃあ同じときに同じ場所にいたんですね。

 私自身はいかにも普通の高校生っぽい、白いポロシャツ姿で見に行ったんですけど、会場に着いたら、派手なパーマをかけたかっこいい女の人たちを見つけて興奮してしまって。浮かれた勢いで一緒に撮ってもらった写真がまだどこかにあります(笑)。

 山田 あのときはカルロス・トシキに対して、みんな「これ邪魔」とか言ってたよね。ひどい(笑)。

 ジェーン そう。あまりに酷で。カルロス・トシキ&オメガトライブのときはロビーにいた人たちが、ボビー・ブラウンが出てきてワーッと席に戻ってくるっていう。横浜でやったらこうなるに決まってるだろうにっていう結果になってましたね。

 山田 組み合わせが悪すぎ。今になって私も失礼だと思った(笑)。でも、当時そこにいた何万人の中にこの二人がいたって考えると感慨深いものがあるね。

【次ページ 小説を読み返す面白さ】

文學界 11月号

2019年11月号 / 10月7日発売
詳しくはこちら>>

ファースト クラッシュ
山田詠美

定価:本体1,500円+税発売日:2019年10月30日

ぼくは勉強ができない
山田詠美

定価:本体430円+税発売日:2015年05月08日

トラッシュ
山田詠美

発売日:2008年04月20日

ページの先頭へ戻る