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対談 私たちのファーストクラッシュ #1<特集 恋愛に必要な知恵はすべて山田詠美から学んだ>

対談 私たちのファーストクラッシュ #1<特集 恋愛に必要な知恵はすべて山田詠美から学んだ>

山田詠美 ,ジェーン・スー

文學界11月号

出典 : #文學界
ジャンル : #小説

『ファースト クラッシュ』(山田詠美 著)

 ジェーン 最初はとにかく憧れから入って。山田さんの小説って小さなお作法みたいなものをたくさん教えてくれるんですよね。アンクレットはストッキングの中にするとか。

 山田 「高校生ぐらいの時に読みました」って言う子たちって、みんな「あのアンクレットが」って必ず言うの(笑)。素足になった時の効用がって。

 ジェーン もう記号として記憶に刻まれてるんですよね。特に私はアメリカが大好きな子どもだったので、余計にそういうものに対する憧れが強かったんです。そのうちに、ままならぬことが世の中にはある、という感覚を山田さんの小説から教えられるようになって。あと、群れない女の子の潔さとかかっこよさ。そういう、現実の高校生にとっては背伸びにあたるような美学を学んだような気がします。当時はそれこそ必修みたいな感じで、出たら何も考えずに買うという流れができあがっていました。

 小説だけじゃなく、「ポンちゃん」シリーズをはじめとするエッセイもずっと読んできて。

 幻冬舎の見城徹さんと石原正康さんとプールに行って泳いだ話とか、工事現場の人に通りすがりにヒューヒューって口笛を吹かれたりする話とか、自分自身の世界の中に断片として組み込まれているような状態でした。私のなかではあくまで「ケンケン」であり「石原ちん」なんですよ。だから初めて石原さんにお会いしたときに、イメージと違ったのがショックで(笑)。「私が思っていた石原ちんはスーツなど着ていないのに」と勝手にしょんぼりした記憶があります。

 山田 あはは、そういうふうに読まれる本ってなんか幸せな感じがする。

 ジェーン (どら焼きを差し出しながら)ちなみにこれ、「うさぎや」というお店のものなんですが、本当はすあまを買ってきたかったんですよ。

 山田 ……ああ! 『ラビット病』に出て来る?

 ジェーン そう。「すあまのこども」という短篇に寄せて持ってこようと。あの話、さんざん可愛がったすあまを壁になげつける場面が最高に好きで。「うさぎや」で「すあま」って、これはもう今日買ってくるしかないなって思ったんですけど……私、今ちょっと気持ち悪い感じですね(笑)。

 山田 ううん、うれしいです、いただきます(笑)。

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文學界 11月号

2019年11月号 / 10月7日発売
詳しくはこちら>>

ファースト クラッシュ
山田詠美

定価:本体1,500円+税発売日:2019年10月30日

ぼくは勉強ができない
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