本の話

読者と作家を結ぶリボンのようなウェブメディア

キーワードで探す 閉じる
〈座談会 新人賞必勝法!〉オール讀物新人賞受賞までに学んだこと 根本昌夫×佐々木愛×嶋津輝 

〈座談会 新人賞必勝法!〉オール讀物新人賞受賞までに学んだこと 根本昌夫×佐々木愛×嶋津輝 

「オール讀物」編集部

『スナック墓場』『プルースト効果の実験と結果』で単行本デビュー

出典 : #オール讀物
ジャンル : #小説

書くことがなければ家族のことを

『スナック墓場』を上梓した嶋津輝さん

嶋津 私のクラスでは、「ひどい句点」が絶賛されて、「姉といもうと」は、いまいちでした。

根本 そんなことはなかったですよ(笑)。嶋津さんは、最初から上手でした。いろんなタイプの小説を書いてくるんだけど、文章が安定しているから、何を書いても安心して読める。それで、ちょっと意地悪な視点が入っているのがいいんです。最初に提出した作品は、口が悪くて意地悪なおばあさんと、それが嫌で嫌で仕方がない孫娘の話でした。これは短くて、18枚くらいだったかな。嶋津さんが初めて小説を書いたのはいつだったんですか。

嶋津 教室に入ってからです。勤務先の会社の経営が傾いてきて、ちょっと暇になったんです。それで、習い事でもしようかと思った時に、文章表現がしてみたくて、根本先生の教室を見つけて入りました。

根本 教室に来る前から、何か書いていたわけではないんだよね。でも、最初からちゃんと書けていました。

嶋津 いま読むと下手で恥ずかしいです。教室に通い始めたら、書くことがない人は家族のことを書くといい、とアドバイスをいただいたんです。それで、自分の祖母がとてもアクの強い性格だったので、祖母のことなら書けるかもと思って書いたのが最初の作品でした。その後は、少し百合(女性同士の関係性を扱うジャンル)っぽい話や、離婚の話とか、いろんなものを書きました。

根本 生々しい社内不倫の話もありましたよね。

嶋津 あれは想像ですが、なかったことにしたいです(笑)。

根本 「ノー・スプラッシュ」は、高校の水泳部で飛込み競技を始めた女子が主人公の小説で、嶋津さんはこういう青春ものも書いていましたよね。

嶋津 最初の1年ぐらいは、作品のアイディアが次々浮かんできていたんです。でも、2年目以降は早くも搾り出す感じでした。書くテーマが授業で指定されるわけではないので、人生を振り返って、自分の経験の中からなんとかテーマを見つけていくような感じです。

特設サイトへ
単行本
プルースト効果の実験と結果
佐々木愛

定価:1,485円(税込)発売日:2019年09月12日

単行本
スナック墓場
嶋津輝

定価:1,540円(税込)発売日:2019年09月12日

プレゼント
  • 『赤毛のアン論』松本侑子・著

    ただいまこちらの本をプレゼントしております。奮ってご応募ください。

    応募期間 2024/11/20~2024/11/28
    賞品 『赤毛のアン論』松本侑子・著 5名様

    ※プレゼントの応募には、本の話メールマガジンの登録が必要です。

ページの先頭へ戻る