今年で第100回の節目となるオール讀物新人賞(2007年にオール讀物推理新人賞と統合)。
近年の新人賞受賞作家たちが、応募の動機や今後の抱負など、10の質問に答えます。
佐々木愛(第96回受賞『ひどい句点』)
Q.新人賞への応募の動機は?
A.自分は本当に人間なのか? と思うほど話すことが苦手で、それ以外の技を身につけなければという危機感があるためです。
Q.小説家になるための準備はしましたか?(小説家講座の受講や具体的な期間など)
A.根本昌夫先生の小説講座に約4ヵ月通いました。
Q.過去に新人賞への公募はどのくらいしていましたか?
A.約2年間で5回です。
Q.受賞作のアイディアはどこから浮かびましたか?
A.芸能人の不倫報道と、参加した句会で作った俳句です(首都高の句を作りました)。
Q.「オール讀物」新人賞の執筆期間は?
A.2週間とも、15年間とも言えます。2週間はPC作業時間、15年は小説を書けるようになりたいと思ってからの時間です。
Q.応募する時に気をつけたことは?
A.誤字脱字がないか。封筒の宛名書きでは、「オール讀物」の「讀」と、「文藝春秋」の「藝」を省略した字で書いたら落選するのではという強い思い込みがあり、ちゃんと書きました。
Q.受賞の知らせを聞いた時は? 受賞してから単行本化までの苦労は?
A.なんと運のよい人生なのだろうと思いました。
単行本化までは、隙あらば寝たい自堕落な自分との闘い。書きたい小説(理想)と、何とか書けた文章(現実)とのギャップから生じる自己嫌悪との付き合い。
Q.子供のころからの愛読書は?
A.幼児期から今でも愛読しているものと言われれば、特にありません。物心ついてからで言えば、小川洋子さんの短編「キリコさんの失敗」は月1ペースです。
Q.最近気になったエンタメ作品は(映画・ドラマ可)?
A.ドラマ版「M 愛すべき人がいて」に、はまりました。
Q.今後の作家としての抱負
A.最終目標は、読んでくださった誰かに「こんな世界があるかもしれないのなら、もうちょっと生きてみたい」と思ってもらえるような小説が書けるようになることです。それが書けるようになるまで人々に忘れられないよう、まずは、書くペースを上げる、つまり睡眠を短くしても朝ちゃんと起きられる人間になるのが直近の目標です。