- 2019.12.04
- インタビュー・対談
<芦川いづみインタビュー>『硝子のジョニー』では、台本の台詞を色分けして撮影に臨みました
『芦川いづみ 愁いを含んで、ほのかに甘く』( 高崎俊夫、朝倉史明・編)
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#随筆・エッセイ
先日、松原智恵子さんに取材でお会いしたんですが、毎年秋には松原さんのお庭の柿が実るのを待って、収穫祭と称して日活時代の皆さんが集まるそうですね。
そうなんです。松原チーちゃんはそういうことをよく考えてくれましてね。チーちゃん、香月美奈子ちゃん、白木マリちゃん、笹森礼子ちゃんとはみんな仲良しなので、年に一回は、ご飯食べましょうといった話が出て、会うんです。それとルリちゃん(浅丘ルリ子)の舞台があるとみんなで集まるんですよ。わたしが引退した後もみんな仲良しで、そういう集まりがそのまま続いているんです。
それは素敵ですね。
ええ。つくづく、ああ、日活撮影所は素晴らしいところだったなと思います。
建物も、新しくて大きくて、食堂もガラス張りでしてね。他の映画会社からいらした方が、「日活は明るいなあ」っておっしゃっていましたけれど、広かったからでもあるんでしょうね。調布の布田は当時は周りに大きな建物もなかったですし。
そういえば、布田の駅から撮影所まで歩かれている芦田伸介さんを車にお乗せしたことがありました。「おーい、いづみちゃん、乗せてー!」って言われましてね。ああ、どきどきしちゃう(笑)……って、緊張しながら運転をしたことを覚えています。
撮影所の食堂の前に、花道ってわたしたちが言っていた場所があったんです。そこに裕ちゃん(石原裕次郎)をはじめ、みんなが座って雑談したりしていました。会うと、「おはよう。今日はどの監督の組?」って聞かれて、「何々組よ」って言うと、「ああ、あの作品ね」、「そうそう、頑張ろうね」って、みんなツーカーで。ですからひとりで部屋に入ってしまうと、なんだかとても寂しくて。
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