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<安部龍太郎インタビュー>戦国時代を知るためには、新たな歴史観が必要だ!

<安部龍太郎インタビュー>戦国時代を知るためには、新たな歴史観が必要だ!

第二文藝部 

作家生活30周年記念作品『海の十字架』(安部 龍太郎)


ジャンル : #歴史・時代小説

「『謙信の財源は何だ?』という疑問から生まれた「景虎、佐渡へ」  

『海の十字架』(安部 龍太郎)

 また6話目の「景虎、佐渡へ」のアイデアは、著者の長年の疑問から生まれたのだという。

「長い間、上杉謙信(長尾景虎)の財源は何だろうと考えてきました。当時の越後は、現代のように米どころではなかったですから。

 佐渡島について調べているときに、“あること”を発見したんです。その説を裏付けるために、現地に取材にいったのですが、そこで、佐渡と石見銀山の繋がりを知ることができた。

 いわゆる、日本海海運を使った商業の交流です。

 上杉謙信は、石見銀山を通じて、博多の豪商・神屋と繋がり、火縄銃を大量に手に入れるルートを得ていたのではないか、と。

 軍神とされた上杉謙信は、“商業”的な面でも、革新的だったのです」

 著者は、戦国時代は、決して「領土争奪戦」ではなく、流通路、つまり、商業の拠点をめぐる戦いであったのだと見ている。

「江戸時代に儒教史観が刷り込まれたため、名将は人格者だったとされ、人徳の部分だけが語られていることが多いですが、私はそうではないと思います。

 当時の合戦において、勝敗を分けたのは、武将の司令官としての能力だけではありません。 織田信長しかり、時代を勝ち抜いた戦国武将らは、水運などの流通を握っていた。経済力に基づく圧倒的な技術力で勝ち上がっていったのです」

単行本
海の十字架
安部龍太郎

定価:1,540円(税込)発売日:2020年02月17日

文春文庫
おんなの城
安部龍太郎

定価:770円(税込)発売日:2018年12月04日

文春文庫
姫神
安部龍太郎

定価:737円(税込)発売日:2018年08月03日

文春文庫
等伯 上
安部龍太郎

定価:825円(税込)発売日:2015年09月02日

文春文庫
等伯 下
安部龍太郎

定価:847円(税込)発売日:2015年09月02日

文春文庫
合戦の日本史
安部龍太郎 伊東潤 佐藤賢一 葉室麟 山本兼一

定価:715円(税込)発売日:2017年07月06日

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