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万城目学と門井慶喜の「辰野金吾建築散歩」in東京

万城目学と門井慶喜の「辰野金吾建築散歩」in東京

「オール讀物」編集部

ふたりの建築探偵が大建築家の足跡をぶらぶら歩く!

出典 : #オール讀物
ジャンル : #歴史・時代小説

あとがき

 一筆御礼 門井慶喜

ついに辰野金吾の小説を書いてしまった作家・門井慶喜氏

 日本近代建築の父といわれ、「辰野式」という様式の名にもなった辰野金吾の作品は、しかし意外にも、いまの東京にはほとんど残っていなかった。完全な建物はふたつだけ。日本銀行本店と東京駅。

 在世中はうんざりするほど建ったはずだが……このことは、むしろ金吾の名誉だろう。何しろ金吾は明治の日本人建築家の第一世代に属している、ということは、れんが世代に属している。

 れんがの建物はやはり強度に限界がある。金吾死後の関東大震災でかなりの数がやられたため、以後、日本では、鉄筋コンクリート造が急速に普及する。金吾の建物は、つまり東京の土になったのだ。

 現代の私たちは、みなその土の上へ安心して超高層ビルディングを建てている。今回の旅の最後に新宿・常圓寺へ行き、金吾のお墓にお参りしたさい、私は、

「ありがとう」

 と、つぶやかずにはいられなかった。

単行本
東京、はじまる
門井慶喜

定価:1,980円(税込)発売日:2020年02月24日

文春文庫
ぼくらの近代建築デラックス!
万城目学 門井慶喜

定価:869円(税込)発売日:2015年05月08日

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