ときわ書房本店 宇田川拓也さん
「夜の記憶」に、作家貴志祐介はデビュー前から規格外だったことを痛感し、「呪文」の壮大な世界観と宗教小説のごとき読み心地に圧倒され、表題作のスリルとゲーム性、そしてラストに唸り、「赤い雨」には、貴志祐介こそテッド・チャンに伍する唯一の日本人作家だと確信。改めて稀代の作家の才能と進化を目の当たりにし、驚嘆しております。
宮沢書店 TSUTAYAイオンタウン館山店 新藤幸代さん
よく子供と右手と左手のどちらかに欲しい物を入れて「ど~っちだ?」と差し出す。子供は何のためらいもなく楽しそうに「こっち」と選ぶ。逆に、子供が同じように差し出した手を大人の私が選ぶときは「見えてるけど、かわいそうだからこっちにしようかな……。それとも、あてちゃったほうがおもしろいかな…。」と色々考えてしまう。それは私が大人だからなのだろうか…と、この本を読んで考えこんでしまった。
人は少なからず大人になるまでに何かしら罪を犯しているはずだから…。子供の時に、「宿題やってあるよ。」とついた嘘や…。おやつを食べたのは私なのに「妹が食べたんだよ。」と…。私は、死とひきかえにおかれた2つのものから正解は選べないかもしれない。選べるのは生まれたばかりの赤ん坊だけだと思ってしまった。
大垣書店 フォレオ大津一里山店 菅原真由美さん
裁く側と裁かれる側のかけ引きが時代は違えど、いや、違うからこその面白さがありました。短編だけでなく、佐久間茂か満子が主人公の長編が読みたくなりました。人をだます罪人だからこそ、裏の裏、そのまた先まで考えてしまって、結果は……となるのだろう。
本の王国 高蔵寺店 莨谷俊幸さん
命の危機に直面した時に、決断を迫られる二者択一。罪人であるが故に、誤った選択をしてしまう。ただ単に一人で終わらせるのではなく、歴史を繰り返させるところが貴志さんの凄いところ。大変面白かったです。他の3編も非常に楽しみです。
宮脇書店 金沢文庫店 松岡圭介さん
とても楽しく拝読させていただきました。表題作は、まさに因果応報。罪人の選択それ自体がどこか運命じみた結末をあらかじめ予想させるが、時間が鍵となって展開されるその構成の妙には思わず膝を打ちたくなる。
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『男女最終戦争』石田衣良・著
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応募期間 2024/9/30~2024/10/7 賞品 『男女最終戦争』石田衣良・著 5名様 ※プレゼントの応募には、本の話メールマガジンの登録が必要です。