いま私は、認知症やフレイル(加齢により心身が衰えた状態)などの老年症候群に対する先進的な医療や、高齢者医療のモデルを提供するとともに、超高齢社会で求められる医療・介護・福祉を担う人材育成を行っています。
高齢者医療の最前線にたって感じるのは、やはり「健康は備えが肝心」だということです。人間だれしも、将来、自分が病気になるとは思わないもの。しかし、いまの時点で体調に問題がないからといって、メタボや高血圧といった基礎疾患を放置しておくと、いずれ後悔することになります。重い病気になってしまってから、「もっと若い時から節制していれば……」と悔やむ患者さんを見たのは、一度や二度ではありません。
「人生100年時代」といいますが、大事なのは、病気に悩まされないで生活できる期間、つまり「健康寿命」を延ばすことです。そのためには、現時「点」での体調だけで健康を考えるのではなく、先々までを見すえた「線」で考えるべきなのです。そうした思いからこの本を書きました。
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