書評

ショージ君はガンで入院していても「類いのない人」であった!

文: 池内 紀 (ドイツ文学者・エッセイスト)

『ガン入院オロオロ日記』(東海林さだお 著)

『ガン入院オロオロ日記』(東海林さだお 著)

 人間を分けるのにいろんな分け方があるが、私はまず「ふつうの人」「病気の人」に分ける分け方が、一番手っとり早いと思っている。その際の「病気の人」というとき、つい先だってまでは「ふつうの人」だった。心ならずも病気をしょいこんで、とたんに病気の人になった。このふつうの人から病気の人に変貌する際に、その人の人柄がよく現われるという。

 1.顔面蒼白となり、ワナワナとふるえる人。

 2.おや、またか。そんな感じで、いたって冷静な人。

 3.オロオロする人。

 われらのショージクンは本書のタイトルからもわかる通り、オロオロ型である。しかし入院日記を読むと、冷静沈着型でもあるようだし、オロオロの前にワナワナがあったような気もする。さすが歴戦の漫画家であって、同じ病気の人でもいたって複雑なタイプにあたるのだろう。

ガン入院オロオロ日記東海林さだお

定価:本体650円+税発売日:2019年10月09日


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