『ウイルスVS人類』(瀬名 秀明/押谷 仁/五箇 公一/岡部 信彦/河岡 義裕/大曲 貴夫/NHK取材班)

 ウイルスの問題は、地球誕生以来、長い時をかけてつくりあげられた自然・環境に、人類文明がどう向き合うかを問いかけているように思えてくる。

 第2部は、ワクチンと治療薬についてである。今回のコロナウイルスの感染を収束させるためには、ワクチンか治療薬の開発が必要だとされている。いずれも時間がかかると考えられているが、現状はどこまで進んでいるだろうか。

 ワクチンの研究開発では、すでに臨床試験に入ったものがある。期待が大きい一方で、有効性などが確かめられて、世界の多くの人がワクチン接種を受けられるようになるというゴールにたどりつくには、いくつものハードルがあるという。どういった戦略でワクチン開発を進めていくべきなのであろうか。専門家の議論に注目してほしい。