航空機開発の舞台裏を描いた話題作『音速の刃』。
ビジネスジェットの開発に挑むプロフェッショナルたちの挑戦を描いた本書について、
著者の未須本有生さんが語ります。
音声メディアvoicyの「文藝春秋channel」にて配信した内容を一部、活字にしてお届け!
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<『音速の刃』あらすじ>
戦闘機の設計に携わった著者が、業界の「タブー」である、「航空機事故の真実」に切り込んだ傑作サスペンス。
2019年、最新鋭ステルス戦闘機F-35が太平洋に墜落。 その後、防衛省は事故原因を発表するも、戦闘機の製造を担う国内航空機メーカー・四星工業のエンジニアは、「航空機事故には必ずウラがある」ことを経験から知っていて……。一方、四星工業は、「官需体質からの脱却」を目指すべく、初のビジネスジェット機の開発をスタート。しかし、この過程で悲劇的な事故が起きてしまう。会社は事故原因を発表するが、その内容に疑問を感じたエンジニアたちが真相の究明に動きだす。
――未須本さんは、『推定脅威』で第21回松本清張賞を受賞されました。『音速の刃』では、『推定脅威』と同じく、国内航空機メーカー・四星工業を舞台にしています。本作はビジネスジェットの開発がテーマです。
航空機を作るエンジニアたちの仕事は、大きく2つに分けられます。
1つは、戦闘機や練習機など防衛省向けの飛行機を作るプロジェクト。いわゆる官需ですね。日本の場合は、こちらの方がメインです。
それとは別に、旅客機やビジネスジェット機など民間機を製造するプロジェクトもあります。
航空業界における2枚看板、官需と民需は共に魅力ある仕事です。
――この物語の読みどころのひとつとして、防衛省から発注を受けて戦闘機を作る部門と、まったくオリジナルの民間機を作る部門の考え方の違いがあります。
防衛省向けの飛行機は、最初に防衛省の方から「こういう飛行機を作りたい」と、自衛隊が運用する飛行機の使い方に沿った要求がなされて、それに応じる形で民間の会社が開発と製造を請負うのが主なパターンです。この場合は、自分たちが作りたいものを勝手に作ることはできません。
それに対して民間機、とくにビジネスジェットなどの小型機は自分たちが作りたいものを作ることができる、というのが大きな違いです。
しかも軍用機というのは、いろいろと(制約が)あって、海外に売ることができない。日本国内だけという縛りがあります。でも民間機の場合は、世界中、誰に対しても売ることができます。
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