書評

舞台は、戦闘機開発の最前線! 高度なものづくりを描く<お仕事小説>

文: 吉野 仁 (作家・元外務省主任分析官)

『リヴィジョンA』(未須本有生 著)

『リヴィジョンA』(未須本有生 著)

 本書は、未須本有生による長編第二作『リヴィジョンA』の文庫版である。

〈リヴィジョンA〉とは、すなわち〈A改訂〉、従来のものを改修するという意味だ。改修する対象は、TF−1という飛行機。本来、練習機として開発された航空自衛隊向けの複座型機TF−1を実戦に即した単座型に改修開発する。その一大プロジェクトをめぐってさまざまな攻防のドラマが展開していく。

 作者による第一作『推定脅威』をすでに読まれた方なら、わが国における航空産業、とくに自衛隊の戦闘機開発をめぐる状況の一端を垣間みたことだろう。ここで登場した飛行機がTF−1なのだ。一応ことわっておくが、現実にTF−1という名称の飛行機はない。このTF−1は、著者が創作した完全に架空の飛行機なのだ。モデルとなる機種は実際には存在せず、本作に登場する四星工業もまた著者が創作した航空関連専門メーカーである。

 そのTF−1に対する〈リヴィジョンA〉のプロジェクトを提案したのは、『推定脅威』で活躍した沢本由佳だ。浜松に本社を置く航空機メーカー、四星工業の女性技術者。やがて社内外を巻き込みつつ、一大プロジェクトは進行していく。そのほか前作の登場人物の多くが本作でふたたび顔を見せている。物語自体は独立しており、単発作として読んでもなんら問題はないが、そのまま『推定脅威』の続編といった形で描かれているのだ。



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リヴィジョンA未須本有生

定価:本体840円+税発売日:2018年06月08日