女の怖さ、はかなさ、奥深さ。時代小説の可能性を広げる新刊2冊
『雲州下屋敷の幽霊』谷津矢車
京極夏彦氏絶賛! 女の怖さ、儚さ、したたかさ、危うさがにじみ出る短篇集
江戸時代に実際に起きた事件をモチーフに紡がれた5つの物語。
カバーのインパクトにまず慄きますが、表題作を読んだあとに見ると振り返る女の表情と背に浮かび上がる幽霊に、違った印象を持つことでしょう。
どの物語にも描かれるのは女のしたたかさ、強さ、はかなさ、怖さ。真夏の寝苦しい夜に読むと、ひんやり感を味わえるかもしれません。
『奇説無惨絵条々』を改題。
『色仏』花房観音
官能と芸道のはざまで揺れる男と女の業
北近江の十一面観音像に魅せられた青年・烏。
僧になるため京の町にやってきたが、ある女との宿命的な出会いを果たし、仏の道を諦めることに。烏が食うために生業にしたこととはいったい……!?
究極の観音像を自らの手で作ろうとする烏が目の当たりにしたのは、凄まじい男と女の交わり、それにより燃え上がる女たちだった――。
幕末を舞台に男女の情欲と人間の業を色濃く描いた著者の野心作にして初の官能時代小説です!
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