パンデミックで分断された世界は人類共通の問題に立ち向かえるのか?
前作の『コロナ後の世界』(小社刊)を刊行したのは、2020年7月の下旬でした。当時の新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)に関するデータを振り返ると、日本の感染者は累計で約3万5000人、死亡者は約1000人でした(同年7月末)。それから1年半あまり、感染者は約447万人、死亡者は約2万2000人にも及んでいます(2022年2月21日現在)。いったんは感染拡大の波が収まっても、新たな変異株が現れると、再び感染が急拡大することの繰り返しです。
安倍晋三首相(当時)が最初に緊急事態宣言を発した2020年4月、マスクとトイレットペーパーを求めて、ドラッグストアやスーパーの前に人々が列をなしていました。そしていま、世界各地ではワクチン接種の義務化への反対デモが勃発し、物流が滞る事態まで生じています。カナダとアメリカの国境は、抗議するトラック運転手たちのために封鎖状態になり、フランスでもワクチンパスポートに反対する人々が「自由の隊列」と称して車でパリに押し寄せました。
一方で我が国では、オミクロン株によって感染拡大第6波に襲われましたが、3回目のワクチン接種も思ったように進まず、医療崩壊の一歩手前にまで来ています。
COVID-19によって、外出する際には不織布マスクをつけることが日常となり、私たちの生活様式も一変しました。大人数で集まり飲食すること、夜遅くまで外出することもはばかられるようになりました。
一つひとつは小さなことですが、後から振り返ればこうした事象は人類の文明史に少なからず影響を及ぼしているのではないでしょうか。世界に冠たる知性と言うべき7人に、私たちのこれからを考える手がかりを示していただきたく、もう一度、本書を編むことにいたしました。
文春新書編集部
(「はじめに」より)
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