それでは、ひとつひとつグッズのご紹介をしたいと思います!
① アクリルスタンド勁草院(画:松崎夏未さん)1,100円 ※会場限定1チケット2体
会場限定販売のアクリルスタンドは、松崎夏未さんによるまさかの『空棺の烏』荳兒時代の雪哉、茂丸、明留、千早の勉強会の様子です!
こいつらのキャラデザは結構前から松崎さんと私の間で固まっていたのですが、今回まさかのタイミングでの登場となりました。ファンブックやグッズで何か初出になる情報があったほうがいいという話が出た時、
「キャラデザはあるから勁草院メンバーはその気になれば描けるんだけどね」
「でもこのタイミングでお出ししていいかは悩ましいねえ」
などと言いあっていたのですが、色々あってこういう形となりました。
コミカライズで未登場のキャラが先にグッズになるんだ!? と私もちょっとびっくりしたのですが、将来への願掛けという意味も込めてのアクリルスタンド化です。私の中ではほとんど絵馬みたいな扱いになっていますね。
こちら、1チケットにつき2体までの購入とさせて頂きます。どうかご了承下さいませ。
② アクリルスタンド雪哉(画:名司生さん)1,100円(税込)※1チケット1体
③ アクリルスタンド雪哉(画:松崎夏未さん)1,100円(税込)※1チケット1体
遠隔参加出来る「展覧会トークショー配信チケット」にも付属している原作版とコミカライズ版雪哉のアクリルスタンド2種も、1チケットにつき1体までという制限付きではありますが、会場でお買い求め頂けます!
もともと、松崎夏未さんが私の誕生日に雪哉のアクリルスタンドを個人的に作ってプレゼントして下さったのが当グッズの起源です。文春に持ち込んで「こんなグッズを作って下さったんですよ~」とお伝えして、サンプルとしてこっそり一匹置いて来たのが、めぐりめぐってこういう形に結実しました。
また、過去には名司生さんの絵で「雪哉といっしょ」という、いつでもどこでも雪哉と写真が撮れるAR企画がありまして、その時の雪哉がめちゃんこ可愛かったので、アクリルスタンドを作るなら原作版の雪哉も絶対欲しい……と思っておりました。
当初はAR企画の絵を流用するという案もあったのですが、当の名司生さんが「せっかくなら新しい雪哉を!」とおっしゃり、めちゃくちゃお忙しい中、こんなキュートな雪哉を描き下ろして下さいました!
その結果、内部では決めきれずに松崎さんと名司生さんの雪哉の絵柄投票をTwitterで行う次第となったわけです。お二方には、改めて心からの御礼を申し上げます……!
④ クリアファイル ファンブック表紙(画:名司生さん)440円(税込)
⑤ クリアファイル メインビジュアル(画:名司生さん)440円(税込)
⑥ クリアファイル 第一部文庫表紙(画:名司生さん) 440円(税込)
⑦ クリアファイル 『烏の緑羽』表紙(画:名司生さん)440円(税込)
⑧ 上記クリアファイル4種1セット 1,650円(税込)
紙を扱う機会が仕事柄多いこともあり、私はクリアファイルが大好きです!
これまでの非公式グッズでもクリアファイルがやたら多かったのは、実は私の趣味だったりします。今回も、まだグッズになっていなかった名司生さんの絵をクリアファイルにして頂きました! 出来もすこぶる良いので、普通に私もたくさん買って使ったり飾ったりしたいと思います。⑥と⑦は、2枚ずつ買って裏表で合わせると一枚絵のような形になるのでおすすめです!
1枚440円、4点1セットはちょっぴりお得な1,650円になっております!
⑨ 絵葉書『オール讀物』掲載イラスト3種1セット(画:鈴木雉子さん)440円(税込)
現在、八咫烏シリーズの外伝短編は「1、『オール讀物』に掲載される 2、電子で1話ずつ配信 3、単行本に収録 4、数年後文庫化」という流れになっております。
私が外伝短編を出す際、一番楽しみにしているのが鈴木雉子さんのイラストです。毎度「そこを切り取って来るのか!」と思わせるような、しかし作品の核となる部分を鋭く見抜き、空気感まで表現したイラストを描いて下さるので、「今回はどんな切り口で来るのだろう」とわくわくしています!
しかし、それを使わせて頂けるのは、『オール讀物』掲載時と、電子での単話配信のみ……。単話配信も単行本化されたタイミングで単行本準拠の表紙に変更される仕様なので、素敵なイラストが手元に残りにくいという現状があります。
今回、会場に鈴木雉子さんの作品も飾らせて頂くことになり、せっかくならあのイラストも形にして欲しい! と私が我が儘を言いました。快くOKして下さった鈴木雉子さん、本当にありがとうございます!
絵葉書にさせて頂いたのは、「はるのとこやみ」「なつのゆうばえ」「きらをきそう」の3点です。どれも素晴らしいイラストなので、是非これを機に手に入れて下さい!
前述したように、著作権者たちが勝手に作った非公式グッズもあるにはあるのですが、実は八咫烏シリーズのグッズを公式で作って売り出すのは今回が初めてのことです。
ここから先は内輪の話で大変恐縮なのですが、ぶっちゃけ、版元である文春さんはこれまでオリジナルグッズをあまり取り扱ったことがありません。やってみたいねという話は前々からあったのですが、「現実的に考えて需要はあるのだろうか」「この価格で赤字にならないだろうか」とたくさんのことを検討し、何とかここまでこぎつけました。
今回のグッズ販売は、どうしたら今後より多くの方にお楽しみ頂ける形に出来るか、また、八咫烏シリーズを無理なく息の長いコンテンツとするためにはどうしたら良いか、という実験の部分も多分にございます。
よって、グッズの購入をご検討の皆様は「応援のため」とか考えず、普通に自分が欲しいと思えたものを、欲しい分だけご購入頂ければ幸いです! それが結果的に、八咫烏シリーズ全体に良い影響を与えて下さるものと確信しております。
何分初めてのことが多いため至らぬ部分もあるかもしれません。ですが、我々と皆さん、双方が気持ちよく楽しめるような展覧会を目指し全力を尽くして参りますので、ご協力のほど、何卒よろしくお願いいたします!
阿部智里(あべ・ちさと) 1991年群馬県生まれ。2012年早稲田大学文化構想学部在学中、史上最年少の20歳で松本清張賞を受賞。17年早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。デビュー作から続く著書「八咫烏シリーズ」は累計130万部を越える大ベストセラーに。松崎夏未氏が『烏に単は似合わない』をWEB&アプリ「コミックDAYS」(講談社)ほかで漫画連載。19年『発現』(NHK出版)刊行。「八咫烏シリーズ」最新刊『追憶の烏』発売中。
【公式Twitter】 https://twitter.com/yatagarasu_abc