写真◎杉山秀樹
池波正太郎さんが「オール讀物」誌上で長年にわたって執筆し、今なおロングセラーとして読み継がれる、時代小説の金字塔『鬼平犯科帳』。映像でも初代松本白鸚、丹波哲郎、萬屋錦之介、2代目中村吉右衛門が、主人公・長谷川平蔵を演じ人気を博してきた。
そして5代目の平蔵役を託されたのは、「叔父の演じる鬼平をただただ格好いい、面白いと、楽しんで見ていました」と語る、松本幸四郎だ。自身にこの役のオファーがあった時には、「まったく迷うことがなく素直に」引き受け、以来、撮影に向けた乗馬や殺陣の稽古にも励んできた。
池波さんの生誕百周年にあたる今年5月、満を持して新たな「鬼平犯科帳」は本格的な撮影がはじまり、この度、レギュラーキャスト陣とともに全容が明らかになった。長谷川平蔵の妻・久栄役は仙道敦子、密偵・おまさ役は中村ゆり、相模の彦十役は火野正平、筆頭与力・佐嶋忠介役は本宮泰風、同心は木村忠吾役を浅利陽介、酒井祐助役を山田純大、沢田小平次役を久保田悠来、小野十蔵役を柄本時生が演じる。
さらに若き日の鬼平、“本所の銕(ほんじょのてつ)”こと長谷川銕三郎役を演じるのは、松本幸四郎の長男である市川染五郎。【SEASON1】として2024年1月に放送・配信となる2時間スペシャル「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」、同年5月公開予定の劇場版「鬼平犯科帳 血闘」にて、これまでの映像作品ではほとんど描かれることのなかった、鬼平誕生の秘密が明らかになるという。
記者会見で、幸四郎は「時代劇の傑作中の傑作に、最強のメンバーで臨んでいます。先達のイメージに真正面からぶつかっていく気持ちで取り組んでいますが、平蔵が“鬼”と呼ばれるように至った強さをいかに表現するかが自分のテーマ」と語り、妻の久栄や密偵の相模の彦十、おまさ、同心たちを演じる俳優陣は、口々にその姿が「本当に格好いい」と、“長官(おかしら)”に篤い信頼をよせていることが伝わってきた。
若き日の平蔵役を演じる市川染五郎は、大叔父の中村吉右衛門の演じた「本所・櫻屋敷」(原作は「本所・桜屋敷」)や「血闘」を見直し、その面白さに驚いたという。改めて「時代劇はファンタジーとしても見られるものなので、学校で勉強する歴史のように難しく考えず、若い方々にもファンタジー、あるいはSFを見るような感覚で、時代劇ってこんなに面白いんだと感じてもらえたら」と意気込みをみせた。
2024年1月の2時間スペシャル、同年5月の劇場版に続いては、連続シリーズ「鬼平犯科帳 でくの十蔵」「鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛」、さらに同年5月には【SEASON2】の製作も予定されているという「鬼平犯科帳」。新作への期待は高まるばかりだ。
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