見た目の「老け」は食事のせいだった!? 最新研究からわかった「若さを取り戻すための食事術」とは
『週刊文春』で2017年、「老けない最強食」という特集シリーズを始めた。当時は「老ける」「老けない」の視点で食べものが取り上げられることはほとんどなかったと記憶している。食の報道といえば、「○○が危ない」という危険を煽るもの、「ある食品が抗加齢に効く」というような単一の紹介、それも一人の専門家が解説するケースが大半だった。日常の食事の中でどのような選び方・食べ方をすればいいのかを総合的に示すものがなかったのだ。
「老けない最強食」シリーズは、主食、肉、魚、野菜・果物、乳製品などの食品群ごとに、何を選ぶと老けないのか、数多くの専門家の協力を得て多角的に比較検討した。担当編集者の発案で、食品群ごとのベスト&ワーストランキングも作成。当時その指標を見つけるのに随分苦労したが、科学的数値をもとにしたランキングのおかげで「各食材のどこを見ればいいのか」が一目でわかる記事になったのだった。
特集は毎回大反響。『週刊文春』の読者からのハガキをまとめる担当者が驚くほど、多くの読者からお便りをいただいた。
そうして初めて「老けない最強食」の特集を発表してから1年後の2018年10月、トータルで10本におよんだ特集シリーズを一冊のムックにまとめた。ムックといえば初版発行部数を売り切って終えるのが通例であるが、『老けない最強食』は異例の増刷を重ね、「4刷」という結果を残したのである。
ムックを刊行してから5年の月日が流れ、この度バージョンアップして新書として刊行することになった。
本書では最も新しい食品成分表に基づき「老けない栄養素」を紹介するのはもちろん、各章に最新の研究結果や新情報を盛り込み、日常的により使いやすい構成を意識した。
序章として「なぜ人は老けるのか」から始め、老化を促進する悪玉物質「AGE」についてまずは詳しく解説する。以降は「主食」「肉」「魚」「野菜・果物」「乳製品」と食品群ごとの選び方を記していく。興味のある項目だけの拾い読みでもかまわないが、この5項目は毎日食事に取り入れてほしいものなので、知識として得ておくと役立つはずだ。
そして健康や美容で敵視されやすい「おやつ」も、「食べない」と決めつけるのではなく、楽しく取り入れてほしいという願いを込め、新書化にあたり章立てをした。実際、心身に良い影響を与えるおやつだってあるのだ。
おひとりさまや、仕事に家事に忙しい人は、「レトルト&冷凍食品」の章を参照すれば、時短かつ食材を無駄にしにくいだろう。
さらに日常生活で身近な「飲み物(ドリンク)」と「油」の選び方も、老けないために欠かせない。シーンに合わせて選択することが重要だ。
ラストは、最新食事術ともいえる「食べる時間帯」である。いちいち食材を選ぶのは面倒という人は、「時間帯」だけでも意識すると健康や美容に貢献するだろう。こちらも今回新たに章立てをした。
さて本書は基本的に「健康維持」を主軸としたものではなく、「若さを取り戻す」ための、老けない食事法である。
見た目の若さは、内臓の健康を表すといわれる。だから「健康維持」でも「若さを取り戻す」でも食事の方向性は変わらないのだが、両者のスタンスは違うように私は感じてきた。健康維持というと何となく“守り”のイメージなのである。一方で、アンチエイジングには自ら食を選択し、明日の自分を築いていくという主体性を感じる。『週刊文春』で特集記事の執筆をしていた時期、主に70代、80代の方からたくさんのお便りをいただいた。お便りには「若くいられるために、これからは○○したい」と、前向きな言葉が記されていた。
いつまでもきれいでいたい、若さを取り戻したいという願いは、とても素敵なことだと思う。たとえ病気で寝たきりであっても「老けない」という目的で行動することは、人を笑顔にさせる。おそらくそれは「生きる希望」につながるのだ。
だからこそ本書では「これを食べるな」という言い方を極力せず、日常の食事で何を選択するのがベターなのか、あなたの選ぶ目が培われることを目的に執筆した。「老けない最強食」とは未来の自分のために主体的に食を選ぶことであり、またそれは今日の食事が楽しくなければ続いていかない。
明日も今日の自分を維持することを目標に、大切な人と、あるいは一人でも食事の時間が楽しめますように。そのためのガイドとして本書を活用してもらえたら、とてもうれしい。
「はじめに」より
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