痩せられないのは糖質が原因? 気づかずに重症化しているあなたの「糖質中毒」
- 2022.01.26
- ためし読み
もう二〇年以上前になるでしょうか。「アメリカでは肥満者は出世できない」という話題が日本のマスコミで盛んに取り上げられました。「自分の体重すら管理できない人間に他者を管理することなど無理だ」と、アメリカでは断じられているというのです。その理屈にはなかなか説得力があり、日本のビジネス界でも肥満者は肩身の狭い思いをしたものです。
これは過去形の現象ではなく、今も肥満者は「自分を管理できない人間」という色眼鏡で見られています。
しかし、私はそうした風潮に異論を唱えたいと思います。肥満者は、単純に自制が利かずにたくさん食べているわけではありません。脳が「糖質中毒」に侵され、糖質を摂らずにいられない状況に置かれているに過ぎません。詳しくは本文に譲りますが、彼らは、不本意ながら中毒にされた被害者なのです。
糖質とは、砂糖など甘いものだけを指すのではありません。肥満者をつくり上げている糖質の大半は、ご飯、パン、麺類などの炭水化物です。
実際に、肥満者のほとんどはご飯や麺類が大好きです。とはいえ、彼らがそれを太るまで食べてしまうのは、単に食い意地が張っているからではなく、食べずにいられない脳になっているからです。誰も太りたくて太る人などいません。
健康診断では、「メタボ」には厳しい目が向けられます。日本人男性は三〇代から太り始め、中高年になると多くがメタボの指摘を受けますから、もしかしたらあなたも医者から「体重を落としてください」と指導を受けている一人かも知れません。
でも、いくら言われても簡単には減らせず、それどころか年々増えていっているのではないでしょうか。あるいは、少し痩せたとしても、すぐにリバウンドしてしまったのではありませんか?
どうして、痩せることはそれほど難しいのでしょう。
あなたがグルメだから?
あなたの意志が弱いから?
違います。あなたが痩せられないとしたら、それは糖質中毒だからです。中毒を治さない限り、本質的な肥満解消など無理なのです。
かようにやっかいな糖質中毒は、太っている人だけの問題ではありません。
痩せた若い女性にも、重症の中毒患者がたくさんいます。彼女たちのなかには、コンビニで調達した炭酸飲料やジュース、スナック菓子をポリポリつまんで食事代わりにしている人もいます。
それは、だらしないからではありません。料理ができないからでもありません。そういう食行動を取らざるを得ない脳になっているからです。
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