お久しぶりでございます、阿部智里です!
しばらくお休みさせて頂いていた当コラムですが、なんとか校了(原稿が完全に作家の手を離れる段階)までこぎつけましたので再開します!
そうなんです。一時は「これマジで間に合わなくない?」と過去最悪のスケジュールを前に絶望させられた『望月の烏』なんですが、間に合ってしまいました。編集さん代筆のコラムで言っていた「新作のご執筆以外のことは、すべてを止めてください」というのは大げさなジョークというわけでは全くなく、実際に冠婚葬祭以外の予定は全てキャンセルして執筆に臨みました。
一日も動かせない予定が出た時点で「このメールを見た瞬間にこの進行表を印刷してディスプレイに貼り付けてください」と言われ、白目をむいたのも今となっては懐かしい思い出です。
内心、「時間切れになった時点で納得がいかない形だったら刊行は止めましょうと本気で言わなければ……」とこっそり覚悟を決めていたのですが、それは杞憂に終わりました。小説のことだけしか考え(られ)ない状況というのは思いがけず筆が進むものでして、作品のクオリティ的にも「これなら!」と本人的に納得がいくところまでちゃんと行きました。
むしろ、仕上げ作業はいつもの進行よりも余裕があったほどでして、「なんででしょうね?」「次も同じ方式のほうがいいかもしれないですね」「いや、それは流石に……」みたいなことをスパルタ編集さんとやいのやいの言い合っております。
そして、毎度のことながら、溜息が出るほど素晴らしい装画も名司生さんにしっかり描いて頂きました!
まだ公開されていませんが、裏表紙までめくると絵巻物みたいでさらにすごいんですよ!! 今回もたくさんのラフと打ち合わせを重ね、本当に最高の装画にして下さいました。
描いて頂いたお花のひとつひとつにも意味があり、読み終わって見返してみると「あ、これは!」と気付く仕掛けもあり……。またいつか皆さんにラフを見せびらかしながら、名司生さんご自身から色々お話を伺う機会を作りたいですね。
名司生さん、本当にありがとうございました! どうか今後ともよろしくお願いいたします!
何はともあれ、八咫烏シリーズ最新作第2部4巻となる『望月の烏』は、2月22日の猫の日にコミカライズ『烏は主を選ばない』5巻と同時発売されます! 是非、手にとってご覧頂ければ幸いです。
単行本に先んじて2月6日発売予定の文庫版『追憶の烏』も着々と準備が進み、サイン本作りにいそしんでおります! 今年はコロナ禍を受けてしばらく控えめにしていた書店さんへのご挨拶巡りも本格的に復活するということです。サイン本を文春さんの会議室で書いている最中、満面に笑みを浮かべた営業さん達に「よろしくお願いしますね」と言われたので気を確かに頑張ろうと思います。(※過去の書店さん回りでは予定を詰め込み過ぎて昼食の時間がなくなり、真夏の駅中で10秒チャージしたことがありました)
また、3月3日の上巳の節句には、紀伊國屋書店横浜店さんにてサイン会も開いて頂けることになりました! 以前、「もし手元に自由に使える3万円の図書カードがあったら?」という企画でもお世話になった、私の大好きな本屋さんです。
まだ八咫烏シリーズが今より全然小さかった頃から、紀伊國屋書店横浜店のKさんにはめちゃくちゃ熱心に応援して頂いており、「いつかサイン会をしましょうね」と言ってもらっていたのです。こうして、とても良いタイミングでサイン会を開いて頂けることになり、とても嬉しいと同時に大変有難く思っております。
サイン会の予約は2月9日(金)12時から、先着100名さまとなっております。予約の仕方が難しくてちょっと大変かもしれないのですが、良いサイン会になるよう私も頑張りますので、参加して下さる方、どうかよろしくお願いいたします!
阿部智里(あべ・ちさと) 1991年群馬県生まれ。2012年早稲田大学文化構想学部在学中、史上最年少の20歳で松本清張賞を受賞。17年早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。デビュー作から続く著書「八咫烏シリーズ」は累計130万部を越える大ベストセラーに。松崎夏未氏が『烏に単は似合わない』をWEB&アプリ「コミックDAYS」(講談社)ほかで漫画連載。19年『発現』(NHK出版)刊行。「八咫烏シリーズ」最新刊『追憶の烏』発売中。
【公式Twitter】 https://twitter.com/yatagarasu_abc
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