- 2024.10.15
- 特集
「読書好きにはたまらない一冊」「しみじみと、あぁ良かったと」。朝倉かすみさん最新作『よむよむかたる』から溢れ出るあたたかみとユーモア。
『よむよむかたる』(朝倉 かすみ)
ジャンル :
#小説
,#エンタメ・ミステリ
『平場の月』『にぎやかな落日』など数々の作品で鮮烈な印象を残す朝倉さん。9月19日に発売された最新作『よむよむかたる』は、自身の母の参加する「ちいさな集まり」に着想を得た心温まる小説です。
喫茶シトロンに毎月集まるのは、下は78から上は92歳までの6人の老人たち。本を片手に「ヤァヤァ、どうも、どうもでした」と集まれば、思い思いに本を朗読し、感想を述べあう。仲間の声に耳を傾け(傾けないことも多々)、自由で和やかな(時に剣呑な)時間が流れてゆく――。
そんな読書会を巡る新刊には、発売前に見本版を読んでくださった書店員さんから反響が続々。全国から届いた感動の声をお届けします!(第7回/全10回予定)
くまざわ書店南千住店 鈴木康之さん
『よむよむかたる』老人読書会の面々が本を読んで語り合う、読書好きにはたまらない作品でした。「坂の途中で本を読む会」の運営や人間関係が克明に描かれていました。1冊の本に対する話し合いが感動的でした。北海道の「じょっぴんかる」などの方言が出てきて親しみやすさを感じました。
未来屋書店土浦店 米田孝明さん
自分でも忘れている体験も、実は知らないほど深いところで自分の一部となっていて、やがてそれは形を変えて表に出てくる。それは本を通して読者に届けられて、新たに記憶を思い出させたり、新しい考えを思い起こさせたりしてくれる。この本を通して、本を読むことが、書くことがいかに楽しいのかということを、改めて実感できた。
未来屋書店名取店 髙橋あづささん
しみじみと、あぁ良かったと思いました。
最初はおじいさんとおばあさんの読書会なんて、みんな好き勝手仕放題なんじゃ……と斜に構えていましたが。実際話を聞かないご老人の、がやがやした感じはあぁやっぱりと思ったものです。
しかし、ページが進むごとに宮城にも通じるところのある北海道弁と、それぞれに抱えたバックボーンが見え隠れするたびに、知らず知らず私も語る会に引きずり込まれていきました。そうしたら、わちゃわちゃも微笑ましくなってきます。
人生も最終盤、なんて楽しそうなんだろう。人生長いんだものこういう生きがいはなんとか見つけておかないと、と思う次第です。
ブックスオオトリ四つ木店 吉田知広さん
あたたかくユーモアにあふれ、同時に人生のペーソスがココロ奥深くまで沁みてくる1冊でした。
マンマの最後のエッセイには涙腺が緩みました。
N・Yさん
ちょうど80歳になる私の母は先日まで入院していましたが、同部屋の同年代の方との会話がとても楽しかったようで、今でもそのことをよく話します。
元々社交的ではない母なので意外でした。
本書を読みながら母の顔ばかり浮かび、本来の母はもしかしたら社交的なのかも?と思いました。
宮脇書店佐沼店 千葉遥さん
「生きがいほど死のお供にピッタシなものはない」にグッときた!
年を重ねるごとに人付き合いも希薄になるのかなあ…と思っていたけれど趣味や何かで繋がったもので、じっくり話すわけでもなくて、そのきっかけの事柄から漏れるその人の生き方や考え方の破片を拾い集めて知る「その人でしかなさ」がなんかいいなと思った。
丸善ヒルズウォーク徳重店 熊谷由佳さん
読書はとても個人的なものであって、その感想にはどうしてもその人の人生の経験が影響してきてしまう。だからそもそも読書会というものに対し警戒心を抱いている。本作の読書会のメンバーたちは年齢ゆえなのか、もともとの性格もあるのか、プライベートについてむしろ好んで語っているようにも思えて、そうはできそうもない私としてはうらやましくも思う。好きな本を読んで本について語ること、この時間が幸せな時間なのは間違いない。自分の経験と重ねるのが正解なのか、どうなのか、私も井上紋のような立ち位置で、いつか読書会に参加してみたい。
萬松堂 渡邉典朋さん
本はひとりで読んで楽しむだけじゃない。もっといろんな楽しみ方があるんだ! 毎日手にしていた本の新しい可能性を感じました。
読書会って、もっとメジャーな趣味になっていいんじゃないだろうか?
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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