大変長らくお待たせしました!
八咫烏シリーズ第2部5巻となる『亡霊の烏』が、2025年3月26日に発売決定です!
時間軸は第2部1巻『楽園の烏』の後、谷間出身者による叛乱が博陸侯によって鎮圧された後、山内にどのような影響があったのかが分かるお話となります。
『楽園の烏』が世に出たのが2020年9月ですから、約4年半ぶりに時間が先に進むことになりますね。『楽園の烏』は「この先はどうなんねん!」と気になるような終わり方だったのに、それを完全に無視して過去編を続けてしまいましたので……そういった意味でも長らくお待たせいたしました……!
毎度申し上げている通り、八咫烏シリーズは刊行順で読んで頂くことで、最大限物語をお楽しみ頂ける形になっております。
作者のこだわりを優先させた結果、アクロバティックなシリーズ構成になってしまっている点は何一つ弁明出来ません……。「この話っていつの話だ!?」と混乱させてしまっている部分も多分にあるかと思います。
とはいえ、初読時に時系列を優先して読んで頂くのは(自分が瀕死になって仕込んだ物語をぶちこわすネタバレオンパレードを推奨することになってしまうので)作者としてはおすすめ出来かねるのですが、何が起こったのかを確認したい再読の方、ネタバレがあっても楽しめるので時系列順に読みたいという方もいらっしゃるかと思います。そんな方のために簡単にご説明しますと、第2部本編の時系列は以下の通りになります。
【時系列】
『烏の緑羽』:『追憶の烏』ネタバレを含む長束陣営の過去編(八咫烏視点)
『追憶の烏』:第1部6巻『弥栄の烏』の後に何が起こったか(八咫烏視点)
『望月の烏』:『追憶の烏』の後に何が起こったか(八咫烏視点)
『楽園の烏』:『望月の烏』の後に何が起こったのか(人間視点)
『亡霊の烏』:『楽園の烏』の後に何が起こっているか(八咫烏視点) NEW!
念のため、八咫烏シリーズの読む順番を探してここに辿り着いてしまった方のために、作者がこのように読んで欲しいという外伝込みの刊行順も併記しておきますね! 旧文庫カバーと単行本にはナンバリングがないので、分かりにくくて申し訳ない限りです。
【刊行順】 ☆作者の推奨する読む順番
1 『烏に単は似合わない』
2 『烏は主を選ばない』
3 『黄金の烏』
4 『空棺の烏』
5 『玉依姫』
6 『弥栄の烏』
7 『烏百花 蛍の章』
8 『楽園の烏』
9 『烏百花 白百合の章』
10『追憶の烏』
11『烏の緑羽』
12『望月の烏』(2025年1月時点で文庫版なし)
13『亡霊の烏』(2025年1月時点で文庫版なし) NEW!
新刊を出す度に必ず「1冊だけ復習するとしたらどれがいいでしょう?」という質問を頂くのですが、今回は『楽園の烏』がおすすめです。次点で『望月の烏』と言いたいところですね。この2冊を読んでから『亡霊の烏』へ進むと、かなり分かりやすいのではないかと思います。
さて。『烏に単は似合わない』でデビューさせて頂いて以来、早くも今年で13年。約1年に1冊のペースで刊行を続けて参りましたが、そろそろ終わりが見えてきました。
八咫烏シリーズ本編は、『亡霊の烏』の次の巻、第2部6巻を以って完結の予定です。
その後、現在単行本・文庫本共に未収録の短編「さわべりのきじん」「きらをきそう」「かりんみず」を収録した外伝短編集『烏百花』の3作目を刊行して、シリーズとして一段落させて頂こうと考えております。
第1部3巻『黄金の烏』刊行時には打ち切りの危機がありましたし、第1部6巻『弥栄の烏』で終わりにしようと考えていた時期もありますので、ここまで書かせて頂けるということは、作者として本当に幸運で、光栄なことであるとしみじみ感じております。
応援して下さった全ての皆さまには、改めて御礼を申し上げます。
本当にありがとうございました。
――と、ご挨拶するのはまだ早いですね!!!
近年では、コミカライズやアニメから八咫烏シリーズを知り、原作にまで手を伸ばして下さった方も増え、新作を楽しみにして下さっている方がより増えたと感じています。本当にありがたいことです。
長年応援頂いた皆さまに対しても、新たに読者となって下さった皆さまに対しても、私が出来ることは、より良い作品をお届けすることのみです。
どんでん返しを売りにしていた初期とは違い、ここまで来ると第1部から描いてきた因果があるべき形に応報していくといった感覚でして、前のようなびっくりどっきりの面白みはないかもしれません。今はただ、長くなった物語の終わりとして、あるべき形になりますようにと祈るような気持ちで執筆しております。
作家としてご飯を食べている人間として、最終巻まで気を抜かず、皆さまに少しでもお楽しみ頂ける形でシリーズをお届け出来るように全力を尽くして参りますので、どうか最後までお付き合い頂ければ幸いです。
阿部智里(あべ・ちさと) 1991年、群馬県前橋市生まれ。早稲田大学文化構想学部在学中の2012年、『烏に単は似合わない』で松本清張賞を史上最年少で受賞。17年、早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。デビュー作から続く壮大な和風大河ファンタジー「八咫烏」シリーズは現在は第2部へと突入、外伝も含めて『望月の烏』で12冊を数える。24年、吉川英治文庫賞受賞、4月からNHKアニメ「烏は主を選ばない」が放送。ほかの作品に『発現』など。
【公式Twitter】 https://twitter.com/yatagarasu_abc
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