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- 2025.02.07
- 特集
「会話劇がとにかく楽しい」伊坂幸太郎さんの大人気作『死神の精度』新装版に、コメントが続々!(第2回)
『死神の精度〈新装版〉』 (伊坂 幸太郎)
出典 : #文春文庫
ジャンル :
#エンタメ・ミステリ
伊坂幸太郎さんの『死神の精度〈新装版〉』が2025年2月5日(水)に発売となりました。真面目でちょっとズレた死神・千葉が、7日間の調査で人々の「死」を判定する大人気シリーズ。今回の新装版刊行&伊坂さんのデビュー25周年を記念して、伊坂幸太郎ファンの著名人の方々からコメントをいただきました。
(全2回のうちの2回目)
時々、人間ってめんどくさいなと思う。
どんなに強がってても誰かの言葉で傷つく事だってあるし、大事な時に風邪をひいたり、人間関係にも自分自身にも疲れる事がある。
でも心身共に痛みを感じる“人間”だからこそ面白いんだと、この作品を通して改めて感じることができました。
千葉さんの言葉選びが面白くて何度もクスッと笑ってしまう。死とは怖いものだと感じる事が多いけど、死ぬということを何とも普通に描き、ポップに明日も生きよう!と思わせてくれる。死神の物語なのにどこかあったかい。きっと誰かのお守りに。
田島芽瑠さん(女優)
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大学生の頃、「お気に入りの小説」にカバーを付けて、ちょっと気になる相手にプレゼントをしていました。これがめちゃくちゃ格好いい所作だと思っていたのですが、どう思われていたのかは謎のままです。そして、その時に選んでいた小説がまさに伊坂さんの作品でした。
伊坂作品は登場人物のやり取りが軽妙で、読んでいるだけでニヤリとしてしまうのですが、本作『死神の精度』でも、圧倒的に強い立場にもかかわらずまるで世間知らずという「死神」と人間たちとの会話劇がとにかく楽しい。
またセリフも印象的なものが多く、「旅路を死神」での「たまたま、質問があって、その質問の先に君が立っていた」という死神のセリフがもう超恰好良い。中学生の時にこれに出会っていたら自分で考えた体で誰かに言っていたと思うので、そういう意味では出会うのが遅くて良かったです。
『死神の精度』はそれぞれが独立した短編でありながらも一つの軸が通っていて、広い青空に飛行機雲が通っていく様子を見上げている時のような読後感があるので、是非読んで頂きたい作品であると同時に、プレゼントにも最適だと思います。改めて読んでみて、やはりあの頃の自分のセンスは間違っていなかったのだと再確認しました。
鉄塔さん/賽助さん(ゲーム実況者、作家)
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伊坂幸太郎さんデビュー25周年おめでとうございます。という事は僕が『オーデュボンの祈り』に出会ってから25年経つという事ですが、未だに読んだ時の鮮烈な感触や情景が体のどこかに残っています。『アヒルと鴨のコインロッカー』なんて面白すぎて栞を挟む事なく読み切ったものです。
以前にカバーを描かせて頂いたご縁がある『死神の精度』は死神という存在を伊坂流のロジカルなルールに落とし込み、時に皮肉に、優しく、残酷に人間社会に作用し、それぞれの顛末はある意味能力バトルのような読み味も感じました。主人公の死神「千葉」はなんとも掴み所のないキャラクターながら誰もが好きになる筈。
石黒正数さん(漫画家)
さらに、シリーズ続編『死神の浮力〈新装版〉』が3月5日(水)に発売されます。
お楽しみに!