
- 2025.08.29
- 特集
「自分は生きていてもいいんだと涙が出た」全国の書店員さんから絶賛の声、続々! 佐々木愛さん『じゃないほうの歌いかた』感想 第1弾
『じゃないほうの歌いかた』(佐々木 愛)
ジャンル :
#小説
『プルースト効果の実験と結果』で鮮烈なデビューを飾り、青春/恋愛小説界にその名を轟かせた佐々木愛さん。最新作『じゃないほうの歌いかた』が、2025年8月27日に発売になりました。
デビュー作の表題作は杉江松恋氏に「2018年恋愛小説短篇のベスト」と評され、第二作『料理なんて愛なんて』は第1回本屋が選ぶ恋愛小説大賞にノミネートされるなど、令和で最も注目されている恋愛小説家です。
最新作の舞台は、落合南長崎にある独立系カラオケ店「BIG NECO」。うだつのあがらない凡人たちの、人生の奇跡ときらめきを描く連作集です。一度読んだら忘れられない、佐々木愛さんの唯一無二の筆致をいち早く堪能していただいた、書店員のみなさまからの感想をご紹介します!
ジュンク堂書店滋賀草津店 山中真理さん
みんな自分より輝いている、きらきらしているなんて幻想だ。うだつのあがらない、ださい、要領が悪いが現実だ。そう落ち込まなくていい。自分のなさけなさは、自分だけに限ったことじゃない。停滞して憎むべき真っ只中にいる自分も人と関わりあいながら生きている。「歌うたいのバラッド」の歌詞が浮かんできた。歌うことは、難しいことなんて何もない。ただ頭の中を空っぽにして歌うだけ。佐々木愛さんは言葉にならない心情を言葉にならない言葉で心に染みつけてくる。
ああー、自分は生きていてもいいんだと涙が出た。この小説は生きていこうという気持ちにさせてくれる。心の底から多くの人に読まれてほしいと願う。
◇
TSUTAYAサンリブ宗像店 渡部知華さん
私はカラオケが大好きで、若い頃は毎週同じカラオケボックスに通っていました。今でも数ヶ月に1回は歌いに行きます。なのでこの作品を読んで新発見です! ただ曲を流す人、トランペットを吹く人、メッセージを残す人などなど…楽しく歌うだけではない! カラオケボックスでの過ごし方を通して、それぞれの人生を感じる…!
どのお話もおもしろかったです。文章がリズミカルでおもしろい! すべてが繋がったエピローグもめっちゃよかったです!
どんな人にもキラッとひかるドラマがある。元気がもらえる一冊でした。
◇
平和書店アル・プラザ城陽店 奥田真弓さん
茹だるくらいの暑い日、全てのやる気が起きなくて、エアコンをつけて寝転んで読み始め、気づいたら夕方、外は雷雨。そんな夏の日に読んだ本。
一見バラバラと置かれていたパーツが、実はそこにあることに意味があったんだと最後まで読んでニヤリ。面白かったです。
特に3章、妙に刺さってしまった。なぜわかるんだろう、この愛しさと憎たらしさの間のもどかしい気持ちが、気恥ずかしさと苛立ちが尖らせる声の感じが。
昭和は怯えていたが、令和は優しかった。最初若者の読む物語かなぁと思ったけど、わたしはもう物語の若者サイドじゃない。つまり全世代に突き刺さるってことだ。
ありがとうプレイリスト。
わたしも作りたい。
◇
文真堂書店ビバモール本庄店 新井さゆりさん
心の中を覗かれたような、弱った気持ちや後ろ向きな感情が、とてもリアルに描かれています。でもそれと同じくらい、そっとやさしさを差し出してくれる人たちの姿もまたリアルで、触れずにきたあの頃の自分が、そっと肯定されたような気がして、気づけば涙がにじんでいました。
地元近辺が舞台だったので、もっとローカルネタを期待していたのですが(笑)、それすら吹き飛ぶほどの、愛おしくて可笑しくて、でも胸にじんとくる人間ドラマに、心を掴まれました。ささやかな希望と、ちいさな奇跡が詰まった、人生の再生ボタンをそっと押してくれるような一冊です。
◇
BOOKSえみたすアピタ富士吉原店 望月美保子さん
カラオケのあの独特の空間……さぁこれから唄うぞ! 歌が好きな人も上手くない人も個室に入れば外から遮断されたあの空間で誰もがハイになる。誰かに聞いて欲しい、でも知らない人には聞かれたくない、皆んな一つになれるんだ! 自己満足と共同作業が行ったり来たり。何万曲から選ぶのはとっておきの一曲か、誰もが自由で一夜のスターになれるあの部屋のマジックが、誰かの人生を彩ってくれるに違いない。
◇
ブックファースト梅田2階店 後藤亜衣理さん
佐々木愛さんの文庫『プルースト効果の実験と結果』が好きだ。短編ながら、どれも小さい棘を読者の心に刺していく。痛いのに、この痛みと一緒に生きていこうと思える、そんな短編集。佐々木愛さんを一瞬で好きになった。
今回は恋愛要素よりは老若男女人間1人1人の解消されないコンプレックスや過去にスポットライトが当たっている。テーマが変われど、読み始めると「ああ、これは佐々木愛さんの作品だなぁ」とすぐに浸れた。口頭でも文章でも説明できないのだが、「佐々木愛さんにしか書けない、変わらない良さ」があって安心した。
カラオケ店は個室で大きい声を出せる場所であり、つまりは自分の奥の奥を曝け出すのにいかに最適かを改めて気付かされた。道や家で大声を出すと迷惑になるが、許容範囲内ならカラオケ店だけはそれが許される。
気持ちがスッと落ち着いていく登場人物たちをみていたら、わたしもカラオケに行きたくなってしまった。カラオケに行き、マイクを握りしめ、身振り手振り、熱唱して、涙を流したい。そんな気持ちになった。
◇
うさぎやTSUTAYA矢板店 山田恵理子さん
ざらざらしたやすりにかけられた心が、夕焼けのグラデーションのようにだんだんメロウに変化していくのが素敵に思える作品です!
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紀伊國屋書店さいたま新都心店 大森輝美さん
ドラマチックなことは起きなくても、私たちは明日を生きる。カラオケボックスは歌ってストレス発散! の場だと思っていたけど、1分後の自分が前向きになれる場所でもあると思った。
第1章「池田の走馬灯はださい」冒頭公開中! こちらからどうぞ!

第2章「加賀はとっても頭がいい」冒頭公開中! こちらからどうぞ!

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