10月15日に発売された『東野圭吾公式ガイド 作家生活40周年ver.』(講談社文庫)。その紙面で読者参加型「東野圭吾 104冊・1億部 全国民投票」の最終結果が公開されています。投票は3月21日~7月22日まで実施。多くの読者の方々から、投票と熱いコメントが寄せられました。

 10月21日放送の朝の情報番組「THE TIME, 」(TBS系列)でも東野圭吾作家生活40周年特集が組まれ、「全国民投票」ベスト5が番組内で発表されました。このベスト5に、文春文庫から3冊がランクイン。その栄えある3冊をここにご紹介します。

第4位『秘密』

 バス転落事故をきっかけに、娘の身体に、死んだはずの妻の意識が宿る。以後、日常は切なく奇妙な「秘密」を抱えた生活へ――という物語。家族小説としても恋愛小説としても読める、多面性が魅力の1冊です。

 【受賞歴、映像化情報など】

 1999年 第52回日本推理作家協会賞(長編部門)受賞
      映画公開(主演:広末涼子、出演:小林薫、岸本加世子)
 2007年 フランス映画公開
 2010年 テレビドラマ化(テレビ朝日系、主演:志田未来)

 【読者の声(公式ガイドより)】

「最後の秘密を知ったとき、涙が止まらなかった。どれだけ時が経っても、どんな結末だっけ? と忘れてしまう日は一生ないと思う。今まで読んできた小説の中でいちばん忘れられないラスト。」(20代女性)

『秘密』(文春文庫)

第3位『手紙』

 強盗殺人で服役する兄・剛志から、月に一度届く手紙。弟・直貴は進学・恋愛・就職のたびに「加害者家族」という事実と向き合わされる。往復書簡の形式で長く読まれてきたロングセラーで、東野圭吾全文庫作品の中で最大部数を誇る。テーマは〈罪の烙印〉と〈償い〉。

 【受賞歴、映像化情報など】

 2006年 映画公開(主演:山田孝之、出演:沢尻エリカ)
 2022年 舞台化

 【読者の声(公式ガイドより)】

「ミステリではないのかも知れませんが、個人的には最高傑作だと思っています。犯罪者の家族の苦悩、それでも残る家族・兄弟の絆・宿命を見事に描いている。弟が最後に下す決断と最後のシーンには心震えました。」(40代男性)

『手紙』(文春文庫)

第1位『容疑者xの献身』

 ガリレオ・シリーズ初の長篇。天才数学者の高校教師・石神哲哉と、天才物理学者・湯川学の対決が軸になる。単行本刊行時には主要ミステリランキングで年間首位級の評価(5冠)を受け、直木賞/本格ミステリ大賞を受賞。緻密なロジックの運びと、読後の余韻の強さ、深さで多くの読者を惹きつけてやまない、シリーズの金字塔にして著者の代表作です。

【受賞歴、映像化情報など】

 2006年 第134回直木賞受賞
      第6回本格ミステリ大賞受賞
              「本格ミステリ・ベスト10 2006」第1位
              「このミステリーがすごい! 2006」第1位
              「2005週刊文春ミステリーベスト10」第1位
 2009年 舞台化
 2008年 映画公開(主演:福山雅治、出演:堤真一)
 2012年 米エドガー賞最優秀小説賞候補
 2012年 韓国、2017年中国、2023年インド映画公開

 【読者の声(公式ガイドより)】

「余りの面白さに読むのを止められずお風呂場に持ち込むものぼせて終盤数ページを濡らしてしまい、それでもそのまま洗い場にて裸で読み切った。風邪を引いた。ふやけた本を見るたびに読後の切ない余韻がよみがえる。人生最良の一冊。」(40代)

『容疑者xの献身』(文春文庫)

 『東野圭吾公式ガイド 作家生活40周年ver.』は、今回の投票の全結果、および読者の声、東野さんによる自作解題など、盛りだくさんの内容。東野作品未読の方はもちろん、まだ全作品を読んだことのない方、全作品を読んだけれどさらに深く知って「東野圭吾マニア」になりたい方は、ぜひお手に取ってください。そしてまずはランキングを参考に、文春文庫の傑作群もぜひお読みください。