迫りくる獣害の実態

『羆を撃つ』(伊藤秀倫)

 なぜクマは人を襲うのか。今、日本のクマに何が起きているのか。

 2025年、日本におけるクマによる人身事故の被害者は238人、そのうち13人が死亡した。いずれも統計開始以来、最悪の数字である。特筆すべきは、自宅の居間や商業施設など、これまで考えられなかったような状況で人が襲われるケースが増えてきたことである。

 なぜ、クマは人間の生活圏に侵入し始めたのか。

 本書の第1部「クマに襲われる」では、岩手県北上市の温泉施設で従業員が襲われた事故や、秋田県鹿角市で4人が死亡した「十和利山クマ襲撃事件」など、実際に起きた襲撃事故について、ハンターや遺族、研究者など関係者の証言を集め、「その日、何が起きたのか」を丹念に検証していく。

 第2部「羆を撃つ」では、クマと人間との軋轢の最前線に立つ「羆撃ち」たちを追う。クマの痕跡から、その行動を予測し、追い詰め、ときに命懸けで引き金を引くハンターたちの目を通して、クマと人間の境界でいま何が起きているのかを描き出す。

 本書は単なる「クマ本」ではない。クマと人間の生死が交錯する「最前線の記録」である。

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発売ラインナップ (2026/9/20~2026/9/26)

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