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第2回 あのシーンは実話? モロッコの砂漠からミイラ自慢の鶴岡まで

第2回 あのシーンは実話? モロッコの砂漠からミイラ自慢の鶴岡まで

『俳優・亀岡拓次』『のろい男』 (戌井昭人 著)


ジャンル : #小説

1月30日から全国公開される映画「俳優 亀岡拓次」。原作の『俳優・亀岡拓次』『のろい男』の著者である戌井昭人さんに、物語のモデルになった土地やお店などをうかがいました。

モロッコ・タンジェ――海が青すぎる、空が青すぎる

 第4話「砂漠の方へ モロッコ」。モロッコには3回ぐらい行ってるんですね。ちょうどいま、タンジェを舞台にした小説(「ゼンマイ」)も書いています。

左:ホテル・エルムニリア(EL MUNIRIA)。バロウズが滞在したホテルです。 右:タンジェの街。ごちゃごちゃして、坂道にへばりついていて。建物は真っ白できれいでした。
左:カフェ・ド・パリ。ジュネが来ていたカフェです。 右:タンジェのカスバ。亀岡に子供たちがまとわりついてきて、白い壁の穴を抜けると、海が見える。電話番号の紙が風で吹き飛ぶのがこのあたり。

 砂漠の写真、撮ってなくてすみません。砂漠へは、ワルザザードの街から車を出してもらって行きました。

「1時間ぐらい、適当に歩いてこい」って言われて、一人で歩き始めたんですが、30分歩いても、全然進まないんですよ。小さな山を越えたら、目印のテントが見えなくなって、すごく不安な気持ちに襲われて。なんにもすることがないから、砂漠で立ちションしちゃった(笑)。すぐ乾きましたね。あっというまに跡形もなくなって、「すごいな、砂漠」って。トカゲがいたな。

 イスラムの国だから、飲む場所は少ないんですが、酒場はあることはある。すごいアヤシイです。それが面白くて、何回か行きました。市場は、いろんなところから食べ物のにおいがしていましたね。

 モロッコで、イギリス人の男の子が、分厚い英語の本を読んでいて、なんだろうと思ったら、『羊をめぐる冒険』で、村上春樹はすごいなあ、と改めて思いました。そういえば、亀岡自身は本、読んでませんね。

【次ページ】山梨の旅館――実は……

文春文庫
俳優・亀岡拓次
戌井昭人

定価:748円(税込)発売日:2015年11月10日

単行本
のろい男
俳優・亀岡拓次
戌井昭人

定価:1,485円(税込)発売日:2015年11月14日

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