2016.01.21 インタビュー・対談

情けなさの品格――戌井昭人(原作者)×横浜聡子(映画監督)

聞き手: 「別冊文藝春秋」編集部

『俳優・亀岡拓次』 (戌井昭人 著)

情けなさの品格――戌井昭人(原作者)×横浜聡子(映画監督)

パッとしない脇役俳優の愛すべき日常を描いた『俳優・亀岡拓次』がついに映画化! 小説誕生秘話から“情けなさ”の魅力、自らも脇役で出演した原作者と監督だからわかる映画撮影現場の裏話まで、大いに語りつくす。

『俳優・亀岡拓次』 (戌井昭人 著)

戌井 横浜さんとは以前から面識がありましたけど、対談するのは初めてですね。

横浜 私の作る短編映画に出ていただいたり、戌井さんの鉄割(アルバトロスケット)の公演を観に行ったりしてました。近所でみんなで飲んだこともありましたよね。なぜか全員チャリンコで来ていて(笑)。

戌井 みんな京王線沿線に住んでたから。

横浜 今回、プロデューサーから「『俳優・亀岡拓次』を映画化したい」と話があったのが、三年くらい前でした。まだ原作は読んでなかったんですけど、戌井さんがどんなものを書いたんだろうと楽しみだったんです。

戌井 我ながら肩の力が抜けた作品で……。

横浜 いや面白くて途中から仕事を忘れました。相変らずの戌井節が炸裂しているじゃないですか。戌井さんの実体験がかなり入っているんじゃないですか。

戌井 行った場所とかは結構ネタにしています。書き始めるきっかけは、山下敦弘監督の『松ヶ根乱射事件』のロケで茅野に行ったとき、スケジュールが延びて一日空いたことなんですよ。ちょっと殿山泰司(昭和の名脇役)気分になって、一人で飲みに行ってみようかなと。で、飛び込みでフラッと入った飲み屋のオヤジに「うちの店は寒天が名物なんだよ」とか言われて。なんか微妙だよなあとか思ったりして(笑)。ちょうど次の小説の題材を考えていたときで、パッとしない脇役俳優の日常を書けばいいんだとひらめいた。

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