インタビューほか

短編小説を長編に大改稿──ついに誕生した最高の「ガリレオ」

東野 圭吾

『禁断の魔術』 (東野圭吾 著)

『禁断の魔術』 (東野圭吾 著)

 やがて文庫化の時が近づいてきました。私はこれが最後のチャンスだと思い、「猛射つ」を長編に書き直させてもらえないかと担当者に頼みました。担当者は少し驚いたようですが、最終的には快諾してくれました。残りの三つの作品は、その前に刊行される『虚像の道化師』に合わせて収録する、ということで話がまとまりました。

 こうして「猛射つ」の長編化に着手したわけですが、読み返してみて、なぜ心残りだったのかがはっきりとわかりました。せっかくの大きなテーマを作者自身が十分には理解しておらず、形ばかりの扱いになっていたのです。

 この作品で自分は一体何をやりたかったのか。常にそのことを考えながら、改稿作業を続けました。やがて主人公だけでなく、脇役や悪役にいたるまで、一人一人の生き様や心情が私の中でしっかりと形を成してきたのです。これは中編「猛射つ」として書いていた時にはなかったことでした。

 こうして『禁断の魔術』という長編小説ができました。ここに登場する湯川学は、「シリーズ最高のガリレオ」だと断言しておきます。

禁断の魔術東野圭吾

定価:本体660円+税発売日:2015年06月10日


 こちらもおすすめ
インタビューほか映画「真夏の方程式」のプロデューサーに聞いた「活字の力、映像の魅力」(2013.06.05)
ニュース東野圭吾「ガリレオ」シリーズの最高傑作は? 白熱のアンケートを一部紹介! (2018.10.11)
書評ガリレオ最新刊は2冊分のボリューム──シリーズの変遷が垣間見える短篇集(2015.03.24)
書評かつてない復讐劇──中江有里が6年ぶりのガリレオシリーズを読む 中江有里が『沈黙のパレード』(東野圭吾 著)を読む(2018.11.22)
書評担当編集者が語るガリレオ短編の最高峰(2012.10.12)
書評改稿によって立体的に見えてきた──東野圭吾「ガリレオ」シリーズの特色(2015.06.11)
インタビューほか東野圭吾インタビュー 正統派ミステリーとしては僕の最高傑作です(2005.08.20)
書評シリーズ初の全作書き下ろし(2012.10.29)