書評

いくら見ても信用できないもの、な~んだ?

文: のり・たまみ (作家・世界なぞなぞハンター)

『つい話したくなる 世界のなぞなぞ』 (のり・たまみ 著)

『いくら見ても信用できないもの、な~んだ』

 キッカケは、事務所に貼られた、こんな些細な一枚の張り紙でした。普段から、ちょっとお茶目なイタズラをする女性社員さんが、知人から聞いた「なぞなぞ」を休憩室に貼って帰ったのです。彼女は2連休を取っていたのですが、次に出勤するまでの3日間、このなぞなぞの「正解」を巡って、昼休みに活発な会話が巡らされました。

 曰く「こちら側のどこからでも切れます」とか「全米ナンバーワンの映画」とか「政治家」など、いろいろな候補が出ました。

 そして3日目。彼女の答えは『鏡』でした。その心は「もっと、私は美しいはず!」。まさに「THE女心」のなぞなぞでした。これは彼女が作ったものではなく、アフリカの民話にある「なぞなぞ」だそうです。

 皆が「な~るほど」となり、通常の業務に戻っていったんですが、私はふと思いました、「なぞなぞは究極の会話術」ではないかと。世に「会話術」の本はたくさん溢れています。「聞き方」「話し方」。それに有名な、使ってよい「さしすせそ、の法則」→「さすがですね」「知らなかった」「すごい」「センスいいですね」「そうなんですか」。逆に使ってはいけない「たちつてと、の法則」→「たいしたことないね」「ちがうよ」「つまんない」「適当でいいから」「とんでもない」など。

 それらの、どの本にも共通して「自分が話すより、相手に話してもらうのが大事」と書いてありました。そのための技術論や心構えの数々。でも、考えてみれば、職場の彼女はこうした技術論は吹っ飛ばして、3日間も会話を成り立たせました。これって、ある意味「究極の会話術?」でないか。

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つい話したくなる 世界のなぞなぞ
のり・たまみ・著

定価:本体750円+税 発売日:2014年09月19日

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