- 2014.09.04
- インタビュー・対談
ミステリ界にクールなヒーローが登場――早くも映画化決定!
「本の話」編集部
『ゴーストマン 時限紙幣』 (ロジャー・ホッブズ 著/田口俊樹 訳)
ジャンル :
#エンタメ・ミステリ
恐怖と興奮と熱と
膨大な裏社会のディテールをちりばめた本書は、48時間後に爆発する120万ドルの紙幣を爆発前に奪還しようとする「現在」の物語と、5年前のクアラルンプールで展開する高層ビル最上階の銀行を襲う強盗計画の物語を並行して描いてゆく。ニコラス・ウィンディング・レフン監督の『ドライヴ』や、マイケル・マン監督の『ヒート』といった犯罪映画が好きだというホッブズは、映画的にあざやかなアクションをまじえながら、プロの犯罪者同士の虚々実々の争いを展開させてみせる。クールなラスト1行を読んだ者はみな、“ゴーストマン”の次の活躍を心待ちにすることだろう。
「第2作Vanishing Gamesはほぼ書きあがっています。マカオ近海での強盗計画が失敗し、窮地に陥った主人公の犯罪の師匠であるアンジェラからの連絡を受けて、彼は現地に飛びます。そこで彼は自分が大がかりな陰謀に巻き込まれたことを知り、追手を逃れつつ、アンジェラを捜して脱出しようとする物語です」
すでに『ゴーストマン 時限紙幣』はワーナー・ブラザースで映画化が決定している。犯罪小説を愛し、それを見事な才能で紡いでみせるロジャー・ホッブズ、25歳。この先もまだまだ続くだろうミステリ作家としての目標は何なのだろうか。
「出来のいい犯罪サスペンスを読むと、わたしは感情を揺さぶられます。恐怖と興奮と熱と不安がないまぜになった感情に圧倒されるのです。わたしはこれが何よりも好きなんです。だから作家としてのゴールは、すべての読者に、この感覚を体験させられるようになることです。そのためにはすべてのキャラクターが興味深く、すべての展開がエキサイティングでなくてはならない。作品を出すたびに前の作品を超えなくてはならない。わたしは自分の能力のすべてを出し切って書いています。そうすることで、あの興奮を、世界に伝えることができるように」
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