『野口英世』の伝記からも影響を受けました。英世は小さい頃、左手にやけどを負いますが、諦めずにロックフェラー医学研究所の正員となり、黄熱の研究に取り組み、病原菌の解明まであと一歩のところまで迫ります。小学生の頃、この姿勢に感動し、ワクワクしたことを覚えています。苦境にめげず、言い訳をすることなく、高み、高み、高みを目指そうと幼心に誓ったんですね。
二〇一〇年に社長に就任してからというもの、“リーダーとマネージャーの役割の違い”について考えることが増えました。会社の方針、方向性に沿って、今ある経営資源を活用し、目標達成に繋げていくために人を束ねるのは、マネージャーの役割です。トップの仕事は、そうではない。いうなれば、キング牧師のように、“I have a Dream.”と語りかけ続けることだと思うんです。人々の心を動かし、いつしか“That's our Dream.”に変え、部下たちの心に火をつける。これこそがリーダーの役割ではないでしょうか。
経営者にはよくある話なんですが、社長が懸命に仕事をして、時にはコストカットの指示を出し、業績も伸ばしたが、後ろを振り返れば誰もいなかった、と。リーダーがマネージャーの仕事をしていては、社員の心に火はつかないんです。気が付けば、人が後ろについてきている存在が真のリーダーだと考えたときに、『ももたろう』が浮かんだんです。
桃太郎は、キジや犬や猿を家来にしますが、お腹を空かせているようだからきびだんごを分けてあげただけ。歩いていると自然と、家来が増えたんだと解釈できませんか? 桃太郎こそが、“きびだんご”という輝く夢を持つ、リーダーだと。
日々、部下に夢を持てと語り、内省と対話の必要性を説いていますが、実はこの頃、携帯電話を持たずに、一時間くらいフラッと席を外すことがあるんです。私にも内省の時間が必要なんです(笑)。
お勧めの3冊
・『赤毛のアン』 (モンゴメリ 著) 新潮文庫
・『野口英世 見えない人類の敵にいどむ』 (滑川道夫 著) 講談社 火の鳥伝記文庫
・『ももたろう』 (松谷みよ子 著) フレーベル館
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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