特集

賢くかわいい女に必ずささる!マリコの言葉の魔法を味わう

文: 林 真理子

『賢女の極意』 (林真理子 著)

現代は優しい女にとって
受難の時
なのである。


恋はするものではなく
落ちるもの。
時間はあるものじゃなくて
つくるもの。


離婚した男が、
そろそろ市場に出まわってきた。

 本当に離婚した女性っていうのは、どうしてあれほどモテるのであろうか。人の心の痛みもわかり、人間がかなり練れてくるせいだろうか。

 私自身も離婚した男性というのが決して嫌いではない。少なくとも、他人の旦那を奪ったりする気概も、エネルギーもない私たちにとって、離婚した男というのはとても魅力的な存在だ。


 腹の立つことや哀しいことは山のようにあるが、すべては自分が選び、納得ずくで駒を進めたこと。

りりしく一人で耐えるのが、
大人の女の
心意気

というものさ。

 女も三十を過ぎると、しづらくなることのひとつに、男の愚痴を言うというのがある。若い頃は「男にダマされた」だの、「こんなはずじゃなかったのにィ」と泣いていれば、結構世間も同情してくれたのだが最近はそうもいかない。りりしく耐えてこそ、大人の女の心意気というものだ。


やらないより、
やった方がずっとマシ。

ゼロから始めて、0.01だけしか
得られなかったとしても、
ゼロよりもずっとマシだ。

 私もとことんやれるところまでやってみようと本気で思う。

 なぜならば、とことんやらなければ飽きることもやめることもない。習いごとというのは、その幾つもの屍(しかばね)を乗り越えることなのだ。

林真理子(はやし・まりこ)

1954年(昭和29)年、山梨県生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍。82年のエッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』がベストセラーとなる。86年「最終便に間に合えば」「京都まで」で第94回直木賞を受賞。95年『白蓮れんれん』で第8回柴田錬三郎賞、98年『みんなの秘密』で第32回吉川英治文学賞を受賞。そのほかに『ミカドの淑女(おんな)』『女文士』『美女入門』『anego』『コスメティック』『RURIKO』『私のこと、好きだった?』『下流の宴』『六条御息所 源氏がたり』『野心のすすめ』『正妻 慶喜と美賀子』『大原御幸 帯に生きた家族の物語』『中島ハルコの恋愛相談室』『マイストーリー 私の物語』『ビューティーキャンプ』など多数の著書あり。

賢女の極意
林真理子・著

定価:本体630円+税 発売日:2016年10月28日

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