――東京でお会いしたとき、「ゆうべ『007 白紙委任状』を書き上げた」とおっしゃっていました。
D ええ、そうなんです。宿泊先のホテルニューオータニの部屋で、窓の外の夜景を見ながら最後の数行を書いたんですよ。
――驚いたのは、その翌日にはもう新作を書きはじめたとおっしゃっていたことです。休みはとらないのですか。
D あのとき書きはじめたのは、『スリーピング・ドール』『ロードサイド・クロス』(ともに文藝春秋)に続くキャサリン・ダンス・シリーズの第3作でしたね。先日ちょうど書き上げたところです。これから数週間は手直しに割いて、そのあとは2013年に刊行される予定のリンカーン・ライムものの新作にとりかかります。
――相変わらず休みなしなのですね。いったい何があなたをそこまで執筆に駆り立てるのでしょう。
D 読者のためです。一貫して新作を出しつづけるという責任が、読者に対してあると思っているんですよ。
――007の作品はこれ一作でおしまいなのですか。
D 具体的な話は何もありません。『007 白紙委任状』を書くのはとても楽しかったので、007に限らず、こういったタイプの作品をもっと書きたいと思うことも今後あるでしょう。でも、『ボーン・コレクター』や『ウォッチメイカー』(ともに文春文庫)といった「恐ろしくてドンデン返しがたくさん」なサスペンスをやめることはありません。
――最後に。もしイアン・フレミング氏がまだご存命で、『007 白紙委任状』を直接手渡しできるとするなら、なんとおっしゃいますか。
D 「あなたの生んだすばらしいヒーローをお預かりするという名誉をいただき、本当にありがとうございました」。これに尽きます!
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